トヨタ、東京海上日動が保有する自動車事故データを自動運転技術開発に活用

2018年10月30日 16:35

印刷

 トヨタ自動車とToyota Research Institute-Advanced Development(以下、TRI-AD)、東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)の3社は、東京海上日動が蓄積してきた自動車事故データなどを自動運転技術開発に活用する業務提携を結んだ。

【こちらも】【トヨタとソフトバンク提携】明快な必然性 自動運転AIにはビッグデータの必要性

 東京海上日動では、年間200万件超の交通事故対応を通じて、事故発生状況や事故原因などの事故データを蓄積している。合わせて、事故による損害の予防、軽減についてのノウハウも構築されている。業務提携では、これらのデータを自動運転技術の開発に活用する。具体的には、東京海上日動が保有する実際の交通事故の詳細データや、東京海上日動が事例から抽出した「事故が発生しやすい危険な状況モデル」などを、トヨタとTRI-ADが自動運転のシミュレーション環境に再現する。その上で、より現実の世界に近い状況下として、自動運転システムの検証を行うことで自動運転システムの安全性向上を図る。

 東京海上日動では、これまで自動運転の実証実験へ参画するだけでなく、責任関係が不明確な事故であっても迅速に被害者救済が行える「被害者救済費用等補償特約」を開発するなどして、自動運転車が普及する社会の実現を支援している。今回の業務提携では、東京海上日動は自動運転社会での損保サービスの検討も行う。自動運転車から取得されるデータを活用した損害保険の高度化や保険金支払いの迅速化などの新たなサービスを検討するという。

 今回の自動運転技術開発では、データ分析を行っているALBERT(アルベルト)が、ビッグデータ分析およびアルゴリズム開発領域での技術支援を行う。

関連キーワード

関連記事