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クボタよお前もか(4) お勉強の知識レベルではなく、『メカニカルに理解する』必要がある
■経済学専門家に問いたい「格差拡大」のメカニズム
製造業の品質保証を安定させるには、『品質保証の問題』をお勉強の知識レベルではなく、グローバルの産業構造として『メカニカルに理解する』必要がある。何しろ「人間の衣・食・住には、物が生産されなければならない」ことは明白なのだ。それが、最終目的である。投資知識は付随する作業であり、主たる作業ではないのだ。たとえ「資金効率が悪くても、物を生産しなければならない」ことは、災害時の「緊急事態」を考えればわかる。それを、日常は最大の効率を求め続けるのが「製造業」だ。農業を含めて製造業とするなら、人間の最も必要とする「衣・食・住」の基本となる産業だ。
前回は: クボタよお前もか(3) 製造現場の現実場面「省けるところは省いていた?」
北米自由貿易協定(NAFTA)の交渉で見せたトランプ政権の産業に対する認識は、きわめて稚拙と言うほかはない。「自分の立場だけを主張していれば何事もうまくいく」とする感覚は、幼い子供の世界観だ。両親に保護された環境でこそ通用するが、その周辺では両親が社会全体との関連性を調整し、本人は過保護な状態なのだ。
現在、日本でも、こうした「過保護の状況」の中で、自分の立場だけを主張する言動が横行しているが、それは過保護なだけで誰も保護してくれない環境にいることを理解できていない状態なのだ。「裸の王様」との表現でほぼ一致するのかもしれない。しかし、これで社会システムが順調に動くはずもあるまい。「自分の危機を認識できない人々」とも言えるかもしれない。
グローバル企業が世界中で繰り広げている企業間競争を理解せず、関税で保護主義政策を考えるトランプ米大統領の通商政策に対する理解は、かなり短期的・表面的で、政治的で、幼稚であると感じる。自動車産業の組み立てを表面的知識で論じるのは、官僚と政治家であろう。いや、官僚、政治家でも産業構造をよく理解した人材は多くいるはずだ。利権で物事を見てしまう「愚行」を「稚拙」と判断しないだけかもしれない。
品質保証を安定させるには、『品質保証の問題』をお勉強の知識レベルではなく、グローバルの産業構造として『メカニカルに理解する』必要がある。それが経済の専門家に理解されないと、「配分がうまくいかず」、結局のところ世界経済が行き詰る事態がやってくる。なにしろ、「人間の衣・食・住」は『必ず物を生産しなければならない』のであり、金融知識や投資知識だけで、ことが足りることはありえないのだ。「資金効率と製造業」は、「人間の生活の基本構造」なのだ。そこから遊離したマネーゲームに偏りすぎて、格差拡大を許していることが最大の問題であり、「必ず解決しなければ何らない問題」なのだ。これは人間の存在の「物理的条件」だ。経済学の専門家と称する人々に反論を聞いてみたいものだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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