弁護士ドットコムが誕生した時代背景と創業者の一念

2018年9月11日 16:57

印刷

 弁護士ドットコムが展開するサイト「弁護士ドットコム」は、自らをアピールしたい弁護士と、抱える法的問題を解決したいと考える相談者のいわゆる「マッチングサイト」。

【こちらも】EC企業スタジオアタオの巧みな商法

 創業者社長の元榮太一郎氏がサイトを立ち上げたのは、2005年8月。元榮社長は起業の契機をこう語っている。「弁護士事務所で弁護士活動をするうちに、法律トラブルで困っている人たちの目線で弁護士を探すことができるようなシステムができないものかという思いが日増しに募っていった。そうこうするうちに、これだ!とピンときたのが引っ越し業者の見積もり比較サイトだった」。

 稼働している弁護士ドットコムサイトの枠組みは、こんな具合だ。

■会員(登録)弁護士数: 日本の総弁護士数の約4割に当たる、1万4000人余り(上場時:14年12月:約8000人)。
■登録料: 得手とする分野・対応地域・料金体系が掲載される。得意とする分野が1分野の場合、月額登録料は2万円。3分野なら3万円、8分野なら5万円といった具合。
■ユーザー: 法的トラブルの解決を望む人は、同様のトラブルで登録弁護士に相談した他のユーザーへの回答を閲覧することが可能。モバイル端末からの閲覧も可。閲覧をし「納得」いく回答に出会った場合、回答弁護士とサイト上で接点を持つことが可能。双方の遣り取りで、付き合い(マッチング)の第1歩が始まる。

 何故、こんなサイトの開設というかビジネスが可能になったのか。2000年の規定見直しで「士業」8種類の広告が原則的に自由化されたのが背景。元榮社長は起業の(もう一つの)契機をこうも語っている。「弁護士時代に、ベンチャー企業によるM&A案件に携わる機会が多々あった。起業家の新しい価値を創造するダイナミズムに大きな刺激を受けた」。

 現在、サイトの訪問者は月間900万人超。閲覧件数は約1800万。同社の管理部では「1万4000人からの弁護士体制が敷かれており、あらゆる分野への対応が可能」とした。

 また弁護士ドットコムでは、上記したような枠組みで「税理士ドットコム」サイトも展開している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事