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日産・e-POWERなど発電専用エンジンのこれから(1) 騒音・振動・熱効率の戦い
セレナ e-POWER(画像: 日産自動車)[写真拡大]
現在、自動車の世界は「燃費規制」と「自動運転」で進んでいるようだが、第4次産業革命の足音が聞こえてきている。燃費規制で注目されているのがEVだ。欧州では、「クリーンディーゼル」がVWなどの不正で大きく行き詰ってしまった。ドイツ車をはじめとして、トヨタ・HV車の技術的先進性に対抗することが難しくなりEVに向かおうとしていると、受け止められてもいる。
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中国は、エンジン技術で世界に追いつくことを諦め、EVで自動車産業の覇権を握ろうとする意図が見え隠れしている。これも、日本勢のエンジン技術などのレベルの高さがもたらした考え方ともいえる。
現在、ガソリン・エンジンとモーターとのハイブリット(HV)技術では、「電気式CVT」と、トヨタが自称する「トルクミックス機構」を持つ「トヨタ方式」が先行してきた。その象徴がプリウスだった。一方、純粋の電気自動車としては、実用車として高い性能と手ごろな値段の日産・リーフがある。その中間ともいえる方式が、ホンダ方式のHVだ。ホンダHVは、80km/hぐらいまではエンジンで発電してモーターで駆動し、それより高い速度域ではエンジン直結としてきた。
しかし、日産・リーフは電池が実用的性能を備えていないがための「途中経過」ともいえる性能で、ノートe-POWERのように発電エンジンを載せて、全速度域でモーターで駆動しているハイブリッドも登場している。電池性能の向上がなされれば、EVが実用域に達するのであろうが、現在は主たる存在にはなれてはいない。そこで注目されてきたのが「発電専用エンジン」だ。
現在発売されているHVでは、エンジンを発電専用として運転していても、エンジンはアクセル操作に反応して、回転を上下させている。これまでのエンジン車ではアクセルを開くとスピードが上がると同時に、エンジン音も高まることが当然である。そこで発電専用エンジンでも回転数を上下させているのだ。しかし、発電専用であるのなら、最も効率の良い回転数でエンジンを回せば、それだけ熱効率は高めることが出来る。だが、ユーザーの違和感をぬぐうことが優先されているのだ。
日産・リーフは、アクセルを離すと0.2Gのブレーキがかかるようにして、「e-Pedal(イーペダル)」と称して、これまでの運転のフィーリングを変える試みをしてきた。これは、回生ブレーキで出来るだけ発電エネルギーを回収して、航続距離を稼ぐ狙いがあり、これまでの運転フィーリングにあえて挑戦してきたものだ。それに対し、これまでのトヨタ・HVシステムでは、アクセルを離したときのフィーリングを出来るだけガソリン車と違和感がないように、つまりエンジンブレーキのフィーリングに合わせるように、「回生ブレーキと油圧ブレーキ」で構成される「協調ブレーキ」を調整しているのだ。だから、日産のe-Pedalは、これまでの運転感覚を変える努力をしなければならない。
次は、実用化可能な変わり種、発電専用エンジンを見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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