品質不良企業は、「3つのグループ」に分けるべき(2) 資金効率優先の「放漫経営」

2018年8月26日 21:16

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■第2グループ:資金効率優先の「放漫経営」と言われても仕方のないグループ

 このグループに分類されるのは日産・スバル・スズキなどだが、この中でもグループ分けが必要かもしれない。スズキの問題点が、日産・スバルとは少々違っているようだ。このグループの企業は、経営者の脳裏の中に「品質保証が最優先」と刻まれておらず、管理されていない状態だった。

【前回は】品質不良企業は、「3つのグループ」に分けるべき(1) 最悪は刑事告発の必要性

 このグループは問題発覚後も、経営陣が即座に作業者から直接話を聞ける組織体制がなかった。スバルは、弁護士による第三者委員会のような組織によって社員から事情聴取する始末だ。日ごろから品質保証の組織が機能しておらず、職制の一部の仕事と理解しているようだ。スバルの現経営陣の認識では、真に再生することはできないだろう。それでも業績優秀であり続ける現代の人々の価値観は、偏向しているようにさえ感じる。「教育不足」「規律が不十分」など、経営者から社員に上から目線の言葉が相次いだ。それはそうなのだが、「経営者を再教育すべき」と言われる立場なのだ。社会の中での自分の立ち位置が分からないようだ。

 日産のカルロ・ゴーン会長は、未だに表に出て説明していない。これは「取締役と執行役員」に区別し、CEO、COOなど役割分担を行い、一見責任体制が整っているように見えるが、実際は株主の意向を受けた「資金を動かす権限」を持ったものが支配し、その者が「品質保証」を第一の仕事と認識できていない、ばかげた状態なのだ。「経営者は現場に立て」とはいかなる状態なのか?その必要性を経営者に理解させねばならない。

 ここに「利益優先」が行き過ぎた現在の企業の真実の問題点があり、「何よりも品質保証が基礎」と理解していないのだ。『良いものを造れば売れると単純に考えているのは、昭和の経営者』と揶揄する言葉があるが、これは良く言えば「勘違い」で、悪く言えば「稼ぐこと」を何よりも優先にしたいのだ。何はともあれ、商売では「品質保証」が優先しなければならない。これは製造だけでなくサービスでも同じことなのだが、ネットを介した取引が増えるに従い、「人間関係」を意識できなくなりつつある現代では、ますます、「安全性・品質」がなおざりにされていく。社員とのコミュニケーションの取り方を研究しなければなるまい。

 次は、「国土交通省の規格の適正」を考えてみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 品質不良企業は、「3つのグループ」に分けるべき(3)「管理のばらつき」が残っているグループ

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