ブランド中古品に拘るEC企業、シュッピン

2018年6月5日 17:57

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 好きこそものの上手、と言う。が40余年間に亘り企業経営者と接してきて、かくまで言い切る御仁に遭遇した記憶はない。カメラ・時計を中心に専門性の高い中古品・新品をネットと店舗で売り買いするシュッピン(3179)の創業者社長の鈴木慶氏である。こう言い及んでいる。

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 「私はシュッピンの事業が大好き。すでに30年余りに亘り、中古品と向き合ってきた(注:鈴木氏は中古PCで知られるソフマップの創業者)。私は拘りを持って作られた物が大好き。大切にしてきた物を手放すとき!手に入れるとき!安心安全は絶対であるべきだと考えている。ネットに軸足をおいた新しい中古ビジネスの時代が来ていると確信している。イーコマースにおける中古品取引ナンバー1になる、をスローガンにインターネットの可能性を追求していく所存。今後のシュッピンに、ぜひ期待して欲しい」とまさに立て板に水。

 同社が取り扱っている商品(2018年3月期末、売上高ベース)は、「カメラ・時計219億3,713万円、筆記事務用品5億7,341万円、自転車4億3,680万円」。商品別にそれぞれ1店舗が設けられている。ちなみにEC売上高比率が50%を超えたのは13年3月期。前期では62%に至っている。各店舗のスタッフは、「カメラ店にはカメラの専門家が配置され、人事交流は皆無」状態。鈴木氏の拘りが反映された店舗体制である。カメラ店の店員は文字通りうん十万円カメラに通じきったプロ、マニアックなプロと言って差し支えない。という問いかけにIR担当者は、「ご推察通り」と返してきた。

 シュッピンは取扱商品を「リサイクル」「リユース」と称さない。「リバリュー」と呼ぶ。この当たりにも鈴木氏の“拘り”を強く感じる。ビジネスの枠組みは、「中古品の買い取り・下取り」⇔「中古品・新品の販売」の循環。買い取価格はワンプライス。研ぎ澄まされた目を持つプロが存在して初めて成り立つ(顧客も納得する)枠組みといえる。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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