京急とセブンイレブン、神奈川県三浦市で移動販売を開始

2018年1月23日 23:51

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三浦市内を回る移動販売車(画像: 京急発表資料から)

三浦市内を回る移動販売車(画像: 京急発表資料から)[写真拡大]

 京急グループの京急ステーションコマースは、セブン-イレブン・ジャパンが展開する移動販売「セブンあんしんお届け便」の運行を神奈川県三浦市で始めた。三浦市では急激な高齢化で買い物難民の高齢者が増えていることから、セブン-イレブン京急ST三崎口店を拠点に三浦市役所と小売店が少ない10拠点で食料品を販売する。

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 営業は毎週月曜日から木曜日の午前10時半から午後4時まで。三浦市役所と、10拠点の中から曜日に合わせて6拠点の計7地点を巡回して販売する。販売品目は弁当、総菜、サンドイッチ、おにぎり、飲み物、冷凍食品、アイスクリームなど約150の商品。

 セブン-イレブンが独自に開発した常温、20度、5度、マイナス20度の4温度帯での販売が可能な軽自動車で回る。決済は現金のほか、クレジットカード、電子マネーのnanacoも利用できる。

 三浦半島最南端に位置する三浦市は人口約4万4,000人。ピークの1995年には5万4,000人を数えたが、その後急激な人口減少に陥った。特に20~30代の若い世代が東京都や横浜市などへ流出、高齢化率は既に30%を超え、県平均を大きく上回っている。

 このため、小売店の廃業が相次いでいるほか、スーパーまで距離のある地域では、車を運転できずに買い物に不便を感じる買い物難民の高齢者が増えてきた。

 買い物難民に明確な定義はないが、一般に最寄りの食料品店まで500メートル以上離れ、運転免許証を持たない人を指す。経済産業省が2014年に推計したところ、全国に約700万人いることが分かった。

 秋田県では県が出資し、住民が運営するスーパーがオープンしているほか、全国各地でコンビニエンスストアや小売店が移動販売を展開している。

 買い物難民がいるのは主に過疎地域の山村や漁村、農村だが、最近は大都市圏でも増えている。東京都の多摩ニュータウンや大阪府の泉北ニュータウンでは、小売業者の撤退で買い物難民となる住民が続出し、東京都多摩市や大阪府住宅供給公社が移動販売業者を誘致している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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