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欧州委、クアルコムのNXP買収を承認 残るは中国
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米クアルコムは18日、オランダの車載半導体大手NXPセミコンダクターズの買収で欧州連合(EU)の欧州委員会から承認を得たと発表した。世界9カ国・地域中、中国を除く8カ国・地域が承認している。
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クアルコムは2016年10月、NXPを買収することで合意したと発表。買収額は約470億ドルで、半導体業界の最大規模の買収劇だ。当所、合弁買収完了を2017年末と発表した。世界9カ国における規制当局の調査や認可を得るためであった。
●NXP買収の意図
クアルコムはスマートフォンなどのモバイル系の半導体の雄である。他方、NXPは車載半導体の雄である。両社の持つ強みと技術のロードマップを俯瞰した結果であろう。
自動運転、IoT、AIの技術革新のスピードは驚異的な速さだ。「繋がる」をキーワードとした、収益の柱を増やす意図が見て取れる。
今回の発表でクアルコムは、NXPを買収することは、グローバルポートフォリオを補完するものと述べる。自動車、IoT、セキュリティ、およびネットワーキングにおいて、新たな価値を創造できる。
●欧州委が懸念したものはNFC技術
欧州の半導体メーカーがクアルコムとNXPの合併買収に対して抱く懸念は、NXPが共同開発した近接NFC技術のようだ。
NFCは電子マネーなどに使われる技術だ。NXPの競合メーカー各社は、スマートフォン用の半導体で最大シェアを誇るクアルコムが、NXPのNFCをプロセッサーに組込む独占化やNXPのNFCライセンス慣行を変更して強硬な姿勢を取ることへの懸念である。
今回の発表でクアルコムは、各機関が認可を得るために必要なすべての条件に同意した。特定の近接通信(NFC:Near Field Communication)特許を提案された取引から除外し、NXPがそれらの特許を第三者にライセンス供与することを保証したと述べている。
●残るは中国の許可
残るは中国の許可のみである。クアルコムのスティーブ・モレンコフCEOは18日、「EU欧州委の承認は喜ばしく、中国の審査についても楽観的に見ている」との声明を出したとの情報もあるが、交渉内容はベールに包まれたままだ。
クアルコムのNXPの合弁買収での欧州委の承認は、ブロードコムによるクアルコムの敵対的な買収の難易度を上げるだろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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