パナソニック、「ナノイー」発生機を京阪電鉄の特別車両に導入

2017年5月22日 20:37

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「nanoe(ナノイー)」発生装置(パナソニックの発表資料より)

「nanoe(ナノイー)」発生装置(パナソニックの発表資料より)[写真拡大]

  • プレミアムカー連結の8000系特急車両

 パナソニックは19日、JR東日本テクノロジーと共同で開発した「nanoe(ナノイー)」製品を京阪電気鉄道に納入したと発表した。搭載されるのは高度な機能を備える有料特別車両「プレミアムカー」で、8月20日より運転開始予定。強力な除菌、脱臭などの空気清浄効果をもたらす同製品により一層快適な車内環境の整備に寄与する見込み。

 今回納入される製品は、パナソニックシステムソリューションズジャパンによってそのデバイスがJR東日本テクノロジーに供給された後、同社が制御電源装置を組み込み「ナイノー」発生装置として製品化したもの。プレミアムカーの車内天井部からナイノーを放出し、心地よい空気環境を乗客に提供する。

●「nanoe(ナノイー)」とは?

 「ナイノー」は水で包まれた微粒子イオンであり、様々な物質に作用しやすいOHラジカルを含む。このOHラジカルが花粉といったアレル物質やウイルス、菌などに作用し、その活動を抑制。一般的に酸化力が強いため長くもたないといわれるOHラジカルを水に包むことにより、長寿命かつ広範囲にわたって効力を発揮するよう開発されている。

 一般的な空気イオン、いわゆるマイナスイオンに比べ6倍の寿命をもち、水分量はその1000倍で肌や髪にも優しい。微粒子イオンのサイズは5~20ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)と非常に小さいため、繊維の奥に入り込んでの有害物質抑制も可能となっている。他製品としては空気清浄機やエアコンなどに搭載されている。

●品格ある伝統と現代の進歩性を表現した車両に搭載

 京阪電鉄のプレミアムカーは、「風流の今様」をコンセプトとし、京都と大阪の風情や文化性を守りつつ新たなサービスに取り組んでいくという思いが込められている。外観は赤と金を基調とした優美なデザインとなっており、内部にはゆとりある空間が広がる。

 さらに訪日外国人客の増加も背景にあってか、より質の高いサービスも施されている。専属アテンダントの存在に加え、全席コンセント配備や無料Wi-Fi、大型テーブル、トランクを置けるラゲッジスペースもある。利用には専用の乗車券が必要。運転時間は平日、土休日の概ね6時から22時までで、基本的に特急として運行する予定。

 今まで「ナノイー」の鉄道への導入は2013年にJR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」、2015年にJR東日本の山手線新型車両に対してされてきた。今回は京阪電鉄の特別車両に採用され、高い快適性を実現する。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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