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注目のSiC関連技術が半導体デバイス部門でグランプリを受賞。半導体・オブ・ザ・イヤー2016
去る6月1日、電子デバイス産業新聞社主催の「半導体・オブ・ザ・イヤー2016」の授賞式が東京ビッグサイトにて開催された。
「半導体・オブ・ザ・イヤー」は毎年、前年4月から3月までの一年間に発表された半導体製品・技術、および電子デバイス産業新聞紙上で取り上げられた新製品やバージョンアップ品の中から、同紙記者の推薦、自由応募を含めて、候補となる製品・技術を選出し、厳正なる記者投票の末に選定されるものだ。
今年22回目を迎える同賞の選定基準は「開発の斬新性」「量産体制の構築」「社会に与えたインパクト」そして「将来性」などとなっている。とくに社会にインパクトを与えた革新的な製品に送られる名誉ある賞として、業界では毎年、大きな注目を集めている。
今年度は、半導体製造装置部門でTOWA株式会社<6315>の「FOWLP対応モールド装置CPM1080」、半導体用電子材料部門では、大阪大学発ベンチャーの株式会社創晶、創晶超光、大阪大学による「世界最高品質のCLBO結晶」がそれぞれグランプリを受賞した。また、今年度は半導体デバイス部門でグランプリを受賞したローム株式会社<6963>の「トレンチ構造採用のSiC-MOSFET」や、半導体製造装置部門優秀賞を獲得したレーザーテック株式会社<6920>の「SiCウエハー欠陥検査/レビュー装置「WASAVIシリーズSICA88」」と、業界でも注目度の高いSiCデバイス関連製品の受賞が目立った。
とくにロームの受賞製品は、世界で初めてトレンチ構造を採用したSiC-MOSFETで、これまでの一般的なプレーナー型のSiC-MOSFETに比べ、同一チップサイズでオン抵抗が50%削減できる優れモノ。太陽光発電用パワコンや産業機器向け電源、工業用インバータなど、あらゆる機器の電力損失を大幅に低減することから、今後の大きな需要と将来性が見込まれる。また、同製品は日刊工業新聞社主催の第58回「十大新製品賞」モノづくり賞も受賞しており、今回の受賞でW受賞を果たすこととなった。
半導体などの専門的な技術は、一般的な話題として取り上げられたり、称えられたりすることは少ないが、『省エネ』が謳われている昨今、日本の未来や世界の未来を支え、導く技術といっても過言ではない。このような表彰制度の認知がもっと高まれば、技術者たちの大きな励みにもなり、より素晴らしい製品を生み出す力となるのではないだろうか。来年の受賞作品には、どんな優れた新技術が選ばれるのだろう。今後も新技術に期待したい。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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