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AEC発足でさらに注目が高まるマレーシア市場。日本企業の最新動向
AEC(アセアン経済共同体)の発足に伴って、俄然、注目の高まるASEAN(東南アジア諸国連合)。中でもマレーシアに対する各国企業の動きが活発になっている。AECはご存知の通り、ASEAN域内のヒト、モノ、カネ、サービス、投資の動きを自由化、基準を共通化し、内需、貿易、投資の拡大を図るための経済統合だが、ASEAN10ヶ国の中でも、マレーシアはとくに底堅い経済で知られており、1人当たりのGDPは1万ドルを超え、シンガポールを除いたASEAN諸国の中では最も高い水準を維持している。現在、政情不安や新消費税の導入などの影響で好調とはいえない状況が続いているものの、それでもGDP成長率は4%台後半を堅持しており、ASEAN地域進出の製造拠点としてだけでなく、消費市場としての注目度も高まっている。
日本企業のマレーシア進出も盛んに行われているが、ここにきて、その動きがさらに活発になっているようだ。例えば、出版・動画配信大手のカドカワ<9468>はマレーシアの首都・クアラルンプールを東南アジアおよび中東市場向け事業のハブ化する計画を進めており、2015年12月10日、インベストKLとの間で、事業拠点を置くことで合意、了解覚書を締結している。また、同社子会社のカドカワ・ホールディングス・アジアは、マレーシアン・アート・スクエア・グループ(ASG)の株式の80%を取得した。ASGは16年1月にカドカワ・ジェムパック・スターズに社名変更し、カドカワの対東南アジア、中東市場の戦略拠点となる。
また、駐車場の運営等を行う日成ビルド<1916>の子会社・ニッセイ・ビルド・アジア(NBA)も2015年12月、マレーシアで駐車場の建設、運営事業を行うM.A.インテリジェント・パーキング(MAIP)のグループ会社・エクセレンス・イノベーティブ・パーキングの株式を49%取得することを発表した。これによって、MAIPとの協力関係をより強固にし、クアラルンプールを中心に駐車場事業や立体駐車場の販売拡大を図る。
住宅大手のパナホーム株式会社<1924>も、マレーシアの大手デベロッパー・MKH株式会社と協業の為、マレーシアにおける建築請負を目的とした連結子会社「パナホーム MKH マレーシア株式会社」設立に関する合意書を2015年12月1日に締結した。パナホームは2012年にマレーシアへの進出を果たしており、2015年4月にはASEAN地域における事業統括を目的にパナホーム アジアパシフィック株式会社を設立している。他、日系のハウスメーカーでは大和ハウス <1925>が2015年6月にマレーシア最大手デベロッパーのSunway Berhadと業務提携書を交わし、プレハブ工法による戸建住宅の開発・販売に乗り出している。
めまぐるしく動くアジア情勢。AECの発足で、さらに経済が活発になりそうなマレーシア市場。日本の企業も今が勝負時、踏ん張りどころかもしれない。(編集担当:藤原伊織)
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