日本ゼオン、任天堂、コロプラなど／本日の注目個別銘柄

<6501> 日立製 784.6 +48買い優勢。前日に第1四半期決算を発表、調整後営業利益は1153億円で前年同期比3％増益、会社計画を100億円程度上回っているもようだ。上半期営業利益は同17％減益の2200億円を据え置いているが、極めて保守的と捉えられる格好に。足元の株価は調整色が強まり、業績への警戒感も高まっていたとみられるなか、想定以上の好決算で買い安心感が優勢に。

<8604> 野村ＨＤ 891.4 +31買い優勢。前日に発表した第1四半期の決算が評価材料に。税引前利益は1060億円で前四半期比1％増益、市場予想は900億円レベルであったとみられ、想定以上の好決算と捉えられる格好へ。ウェイトが高い欧州市場への懸念から、足元では相対的に業績懸念も強かったと見られ、想定以上に底堅い決算を受けて買い安心感が優勢に。

<6752> パナソニック 1447.5 -89売り優勢。前日に発表の第1四半期決算内容が嫌気されている。営業利益は766億円で前年同期比7％減益、市場予想は900億円以上の水準であったと見られる。会社計画以上とはされているようだが、会社側の通期計画4300億円、前期比13％増益達成のハードルは高まったとの見方。会社想定どおりに第2四半期以降の収益回復が実現するのか、不透明感は拭えないようだ。

<7974> 任天堂 22195 +1695大幅反発。前日に第1四半期の決算を発表、営業損益は11.5億円の黒字となり、前年同期比では106.2億円の収益改善となっている。市場予想は50億円程度の赤字であったとみられる。第1四半期は収益水準が小さくインパクトは限定的であるものの、第1四半期としては5期ぶりの黒字に転換しており、収益体質の強化としてポジティブに捉えられている。

<4205> 日本ゼオン 1187 +103大幅続伸。引き続き、前日に発表した第1四半期の決算内容が好感されている。野村では決算を受けて投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価も1300円から1500円に引き上げ。今後は国内自動車メーカーの国内生産回帰に伴い、高付加価値な特殊ゴムの数量拡大が予想され、収益モメンタムの加速を市場が評価する局面になるとみている。また、中小型液晶向け「ゼオノア」フィルムの数量増加による利益拡大も評価材料と指摘。

<3668> コロプラ 2492 -209大幅安。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は230億円で前年同期比35.5％増、通期計画は300億円据え置きとしている。4-6月期は前四半期比1％減益となったが、広告宣伝費の増加は想定線と捉えられる。特に決算数値にインパクトは乏しいと見られるが、年度内での新ゲームアプリ投入期待などは後退する状況と捉えられる。

<8053> 住友商事 1418 +86決算発表後は上げ幅を広げる展開になっている。第1四半期営業利益は692億円で前年同期比51％増益、純利益は同57％増益の820億円となっている。純利益の市場コンセンサスは530億円レベルであり、大幅に上回る格好となっている。事業再編に伴う一過性の利益も計上したようだが、資源・化学品事業が大幅な増益となったようだ。資源価格の下落で総合商社に対する業績懸念は強かったと見られ、ポジティブなインパクトにつながる。

<4503> アステラス 1852 -78.5下げ目立つ。前立腺癌治療剤「イクスタンジ」を共同展開しているメディベーションが前日に8％強の株価下落となっている。一部のアナリストが「イクスタンジ」の需要鈍化懸念を指摘したことが背景のもよう。同社にとってもグローバル製品の主力に成長している医薬品であり、警戒感が先行する状況となっているようだ。

<3197> すかいらーく 1733 +55しっかり。ＪＰモルガン(JPM)では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も1650円から2000円に引き上げている。施策効果による既存店販売上振れと最重要の夏商戦での期待上昇、計画を大幅に上回る粗利率の改善、足元での懸念であった適格上場関連費用問題の織り込み、内需系有力企業の中での割安感や出遅れ感の強さなどを評価引き上げの背景としている。

<6952> カシオ 2434 -77売り優勢。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は90.6億円で前年同期比29％増益と大幅増益を達成しているが、市場予想は100億円近い水準であったとみられ、ネガティブに捉えられる格好にも。一部費用の前倒し費用計上などが市場想定比下振れの背景と見られる。ただ、インバウンド需要などへの期待感から、株価も高値圏での推移となっていたため、利食い売りのきっかけにつながる格好になっているようだ。《XH》