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トヨタが中型SUV「プラド」に新開発クリーンディーゼルエンジンを搭載してリニューアル
新開発1GD-FTV型2.8リッター直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン。最高出力は177ps(130kW)/3400rpm、最大トルクは45.9kg.m(450Nm)/1600-2400rpmとなる[写真拡大]
遂にトヨタがクリーンディーゼルエンジンを乗用車に搭載した。6月17日にマイナーチェンジを受けた同社SUVのランドクルーザー・プラドに搭載する2.8リッター直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン「1GD-FTV型」である。そのディーゼルエンジンは、デンソー製コモンレール式燃料噴射装置を得て、最高出力177ps(130kW)/3400rpm、最大トルク45.9kg.m(450Nm)/1600-2400rpmを発生。組み合わせるトランスミッションは6速オートマティック(6AT)で、JC08モード燃費は11.8km/リッターを達成した。
この新ディーゼル搭載にともなって、従来最高出力を誇っていたJC08モード燃費が7.9km/リッターだった4リッターV6ガソリンエンジン搭載モデルは廃止される。
新型ディーゼル「1GD-FTV型」は、ポスト新長期規制をクリアしているのはもちろんで、ディーゼルエンジンで出遅れていたとされるトヨタの面目躍如といえる新ユニットだ。同ディーゼルエンジンは欧州の“ユーロ6”をもクリアし、ディーゼル車の人気が高い欧州市場を意識した設定である。
1GD-FTV型ディーゼルは窒素酸化物「NOx」を排除するために「尿素SCRシステム(Selective Catalytic Reduction/選択性還元触媒)」という装置を使う。マツダやメルセデス・ベンツのクリーンディーゼル「ブルーテック」などでも使っている装置だ。走行1万5000kmごとに10リッター程度の尿素水の補充が必要だ。
このクリーンディーゼルを搭載したランドクルーザー・プラドの価格は396万4582円〜513万3927円。
尿素SCRシステムは、NOx処理のために尿素水を排気ガス中に噴射し化学反応によってNOxを浄化する仕組み。燃費や出力の悪化がほとんどないのがメリットだ。しかし、尿素水を貯めておくタンクや専用の装置が追加されるため、これまでスペースに余裕のあるトラックやバスなどの大型車での採用が多かった。しかし、省スペース性を実現したマツダやメルセデスが先行して乗用車で採用してきた。
コモンレール、尿素SCRシステムなどの採用により、新型プラドは、排出ガス規制の基準「ポスト新長期規制」に適応したクリーンディーゼル車として「エコカー減税」の対象となるほか、「CEV(クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費)補助金」制度を利用した場合、最大約24万円が給付される。(編集担当:吉田恒)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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