丹青社、神島化学、シーラボなど/本日の注目個別銘柄

2015年6月11日 16:50

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記事提供元:フィスコ


<6954> ファナック 26110 -290売り優勢。野村では投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に格下げており、本日の売り材料につながっているようだ。目標株価も29200円から27800円に引き下げへ。中国ローカル・スマホ用工作機械の需要が鈍いと見込み、アジアのNC装置とロボドリルの売上予想を減少させているもよう。今期営業利益は従来予想の3050億円から2920億円と減益予想に下方修正している。中国スマホ用機械需要が不透明なうちは、ベンチマークを上回るパフォーマンスは期待しにくいと判断。

<8411> みずほFG 261 +4.2買い優勢。海外株高を背景に全体相場が堅調な動き、とりわけ、米国市場では銀行株の強い動きが目立っており、東京市場でもメガバンクは総じて買い先行となっている。同社に関しては、メリルリンチ(ML)が投資判断を「中立」から「買い」に格上げしていることも支援材料。MLでは、収益モメンタムが強く財務面の改善期待も高いと評価、目標株価も240円から305円に引き上げている。

<7532> ドンキホーテ 9810 +640大幅続伸。前日に期末配当金の引き上げを発表している。従来予想の26円から30円に引き上げ、年間配当金は40円となる。12期連続での増配となるようだ。株主還元策の拡充を評価する動きのほか、1:2の株式分割も発表、流動性のさらなる向上も期待される格好に。また、5月の月次動向も発表、既存店売上高は前年同月比8.5%増となっており、高水準のインバウンド消費継続が確認される形にも。

<9022> JR東海 21720 +1075大幅反発。本日はJR3社の強い動きが目立っているが、なかでも、出遅れ感の強い同社の上昇率が高くなっている。モルガン・スタンレー(MS)では、JR3社の業績予想を上方修正、鉄道旅客数の想定以上の強さを背景としている。同社の今期営業利益は5673億円、前期比12%増益と予想している。会社計画5150億円、市場予想の5350億円レベルを上回ると見ているようだ。なお、株価の割高感が強いとして、MSでは投資判断は「アンダーウェイト」としている。

<4026> 神島化学 675 +100ストップ高。前日に発表した決算がポジティブなインパクトにつながる。前4月期営業利益は6.7億円で前期比11.6%減益、先の上方修正値をやや下回る着地に。一方、今期は9.6億円で同42.9%の増益見通し。7.5億円レベルの四季報予想などを大きく上回る水準となっている。住宅着工の減少など悪環境下のなか、想定以上の好業績と受け止められる。また、投資単位の引き下げ発表もプラス材料視。

<9743> 丹青社 1165 +106大幅続伸で高値更新。一昨日に発表した好決算を引き続き評価する動きとなっている。第1四半期営業利益は23.7億円で前年同期比10.5%増益、会社計画は3億円強上回ったもようだ。いちよしでは、売上増加・好採算性維持・受注残高増加の好業績3点セットに変化はなく、会社側の通期予想据置は保守的と指摘。通期では、会社計画23.5億円を大幅に上回る36億円を予想しているようだ。

<4924> シーラボ 4045 -235大幅続落。前日に発表した第3四半期決算が悪材料視されている。累計営業利益は39億円で前年同期比27.2%減益、通期予想の85億円、前期比13.2%増益の達成に不透明感も強まる状況へ。第3四半期まで会社計画は10億円程度下回っているようだ。商品構成による原価率悪化や変動費の増加が響いているようだ。

<7004> 日立造船 737 +36反発で高値更新。みずほ証券では投資判断「買い」を継続、目標株価を780円から850円に引き上げている。主力の環境・プラント事業を主体に今期業績は会社計画を上回る公算が大きく、来期も環境・プラント事業を牽引役に2ケタの営業増益が続くと考えているもよう。また、窒素酸化物の発生を従来比で約7割低減できるごみ焼却技術を開発したとの報道も材料視へ。

<7613> シークス 3260 -145大幅続落。前日にはいちよしがレーティング「B」を継続としており、利食い売りのきっかけにつながっているとみられる。いちよしでは、4-6月期に入って中国関連ビジネスに失速感が出ていると指摘、今後の利益の伸び率は鈍化するとみているようだ。15.12期営業利益は85億円、前期比36%増益を予想、会社計画の73億円は上振れるとしているが、第1四半期の89%増益と比べると、前年比伸び率は目先ピークアウトの可能性と。

<3402> 東レ 969.7 -13.5さえない。みずほ証券では投資判断を「買い」から「中立」に格下げ、目標株価も1260円から1050円に引き下げている。炭素繊維複合材料事業の中期的な成長力を裏づける好材料は株価に織り込まれたとの判断、今後は増益率低下に伴ってバリュエーションが低下すると考えているもよう。炭素繊維複合材料事業に関しても、市況の改善が思わしくなく、固定費の負担増もみられることで、従来予想より下方修正しているもよう。《XH》

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