ピジョン、ジェイテクト、ドコモなど/本日の注目個別銘柄

2015年6月2日 16:49

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記事提供元:フィスコ


<9437> ドコモ 2337 +88.5買い先行。18.3期までにROEを10%以上に高める方針と伝わっている。前期実績は7.4%。そのため、今後3年の間に自社株買いも実施、自己資本の圧縮にも努めるようだ。自社株買いに対してはやや期待感も低下していたため、あらためて期待感が高まる状況にもなっている印象。また、クレディ・スイス(CS)では投資判断を「アンダーパフォーム」から「ニュートラル」に格上げ、コスト削減に本腰など、業績や経営面の迷走を危惧する局面は終わったと総括しているもよう。

<3903> gumi 1798 +300ストップ高。前日に前4月期業績予想の上方修正を発表している。営業損益は4億円の赤字予想から4.2億円の黒字に上方修正。ネイティブアプリサービスの売上が想定以上になったほか、コストの合理化によって固定費が抑制された。3月の大幅下方修正がネガティブサプライズを与えたが、一転しての黒字転換で過度な警戒感が後退する流れにも。

<3107> ダイワボウ 263 +24急伸。シキボウなども大幅高とマスク関連が買われている。ウイルス性感染症のMERS感染者が韓国で拡大していると伝わっている。5月20日の感染者確認以降、次々と感染者が増え、30日までに15人の感染が確認されている。感染対策としてのマスク需要の拡大が思惑視されてきているようだ。

<9502> 中部電力 2015 +86大幅続伸。電力株は本日もほぼ全面高の展開、業種別上昇率のトップにもなっている。原発再稼働に向けた動きの進展が同セクターの買い材料になっているが、なかでも、同社にはPBR水準の相対的な割安感に対する関心が高まっているもようだ。また、JPモルガン(JPM)では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価は2500円としている。今期の収益水準は震災前の9 割まで回復する見込みで、配当金の修復も順調に進むとみている。首都圏市場での事業拡大による成長力を考えると株価は割安と指摘。

<2914> JT 4532.5 -82反落。カナダの健康と喫煙に関する集団訴訟で、カナダ子会社に対して約2000億円の支払いを命じる第一審判決が下されたと伝わっている。控訴する意向としているが、目先の不透明感が強まる状況になっているとみられる。また、中国・北京市では屋内での喫煙を全面的に禁止する世界的にも厳しい禁煙条例を施行したと伝わっていることなども、ネガティブなイメージにつながっているとみられる。

<7956> ピジョン 3505 +200大幅続伸。前日に発表した第1四半期の決算内容が評価材料視されている。営業利益は36億円で前年同期比34%増益となっている。中国市場の好調継続に加えて、国内市場もインバウンド効果の本格化などが牽引する格好に。予想以上のインバウンド効果を受けて、通期予想の上振れ期待などが高まる状況にもなってきているもよう。

<6473> ジェイテクト 2367 +87大幅続伸。クレディ・スイス(CS)では投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価も2000円から2800円に引き上げている。第1四半期は大幅増益が予想されるなど相対的なモメンタムは強く、第2四半期決算発表時にも通期予想の上方修正、並びに、増配が期待可能と考えているようだ。なお、クレディ・スイス(CS)では、日本精工<6471>やNTN<6472>など他のベアリング大手も目標株価を引き上げへ。

<5108> ブリヂストン 5007 -168反落。JPモルガンでは投資判断を「オーバーウェイト」から「ニュートラル」に格下げ、利益確定売りのきっかけにつながっている。JPモルガンではタイヤセクターのスタンスを中立から弱気に変更、海外のタイヤ需要減退局面で価格競争が激化する一方、主原料価格は反発の兆し、スプレッドは15.12期下期以降にピークアウトする可能性としている。同社に関しては株価上昇で目標株価を概ね達成したことを格下げの要因としている。

<6976> 太陽誘電 1803 -58続落。モルガンでは投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に格下げ、目標株価は2050円としている。収益柱となっているMLCCにおいては、ハイエンド品を安定して大量生産することにおいて、上位2社とは広がってきているとみているもよう。今期は大幅増益が予想されるものの、株価上昇で織り込みが進んだとも捉えているようだ。

<6770> アルプス 3280 +80続伸。本日は、SMBC日興証券、モルガン・スタンレー(MS)、UBSは揃って目標株価を引き上げている。各社ともに投資判断は買い推奨で、新目標株価はそれぞれ、3800円、3900円、4000円としているようだ。直近では、バークレイズ、JPモルガン(JPM)、シティなどでも目標株価を引き上げており、決算発表を受けてアナリストのポジティブな方向への見直しの動きが最も進んだ銘柄と捉えられる。

<6502> 東芝 450 +14.3買い先行。前年度の有価証券報告書の提出期限を8月31日に、今年度第1四半期報告書は9月14日に延長する申請が承認されたと発表している。また、前年度有価証券報告書の提出は8月になる見込みとも発表している。有価証券報告書提出の期限切れによる上場廃止といった最悪の事態は免れることになったとみられ、安心感が強まる展開のようだ。社長の説明においては、不適切会計処理の規模が甚大といった過度な懸念も後退のようだ。

<6954> ファナック 27650 +110小幅続伸。発行済み株式数の14%に当たる3356万株を消却すると発表している。消却金額は歴代で3番目の規模となるもよう。将来的な希薄化への懸念を低下させることにつながり、株主還元策の一環としてポジティブに捉える動きが優勢のようだ。ただ、自己株消却の実施はすでに会社側でコメントされていたため、規模のわりにはインパクトが強まる状況にはなっていない。《XH》

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