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【MotoGP第5戦】フランスGP J・ロレンソ強さを見せつけて2連勝
v・ロッシ(左)とJ・ロレンソ(右)と表彰台で肩を抱き合い喜ぶヤマハ発動機MS開発部長の辻氏(中央)[写真拡大]
5月17日、2015年MotoGP第5戦目となるフランスGP決勝がル・マン・ブガッティ・サーキットで行われた。
ル・マンといえば24時間耐久レースで有名なサーキットだが、MotoGPが行われるブガッティ・サーキットはその一部を担うショートコース。低速コーナーが多い、ストップ&ゴーのレイアウトで、ブレーキングと立ち上がりの加速が勝負を大きく左右する。マシンバランスとライダーの技量が問われるテクニカルなサーキットだ。
このブガッティ・サーキットでのMotoGP決勝は雨に見舞われることが多いのだが、今年は晴天。晴れ渡った空の下、気温18℃、路面温度32℃のドライコンディションで決勝は始まった。
まず、スタートでホールショットを決めたのは予選2番手のアンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)。だが、すぐに3番手スタートのホルヘ・ロレンソ(モビスターヤマハMotoGP)が巻き返して先頭を奪取した。
ポールポジションを獲得したマルク・マルケス(レプソルホンダ)は、スタート直後の混乱に巻き込まれて順位を4番手まで後退。今季ポイントリーダーのバレンティーノ・ロッシ(モビスターヤマハMotoGP)は7番手から5番手に順位を上げた。
レース2周目、けがを克服し戦線復帰したダニ・ペドロサ(レプソルホンダ)が転倒。なんとかレースには戻ったものの、順位を大きく落とす。さらにステファン・ブラドル(アテナフォワードレーシング)も転倒、3周目にはアレイシ・エスパルガロ(チームスズキエクスター)がマシンアクシデントでリタイア、8周目にはカル・クラッチロー(CWM LCRホンダ)も転倒するなど、転倒・アクシデントが相次ぎ、7台がリタイアするという荒れたレースとなった。
レース前半、安定した走りでペースを作ったのはJ・ロレンソ。それにドゥカティのA・ドビツィオーゾとアンドレア・イアンノーネが続き、4番手にはV・ロッシがつけた。
M・マルケスは不安定なブレーキングが目立ち、ペースを上げることができずにずるずると6番手まで後退した。
レース中盤以降はJ・ロレンソの独壇場。安定した走りで徐々に2番手以降を引き離していった。
レース中盤から追い上げを見せたのは今季ポイントリーダーのV・ロッシだった。11周目には3番手のA・イアンノーネを、14周目には2番手のA・ドビツィオーゾを抜いて2番手に浮上。ヤマハのワンツー体勢となった。
レース後半はヤマハ勢にドゥカティ勢が続く展開となったが、終盤に息を吹き返したのが6番手まで後退したM・マルケス。一時は差をつけられかけていた5番手のブラッドリー・スミス(モンスターヤマハテック3)と4番手のA・イアンノーネに肉薄し、熾烈な4番手争いを繰り広げた。
レース残り5周、接触ギリギリ、抜きつ抜かれつのつばぜり合いを制したM・マルケスが4番手に浮上した。
結局終盤までペースを崩さず、完璧なレースを展開したJ・ロレンソが2番手のV・ロッシに3.820秒の差をつけて圧勝。スペインGPに次ぐ2連勝で、ポイントランキングでもA・ドビツィオーゾを抜いて2位に浮上した。
3位はA・ドビツィオーゾ、4位はM・マルケス、5位にA・イアンノーネ。2位となったV・ロッシは順調にポイントを加算し、これによってヤマハはポイントランキングでもワンツー体勢を築いた。
なお、2周目に転倒し大きく順位を落としたD・ペドロサは16位でフィニッシュしている。
2015年シーズン序盤はJ・ロレンソとV・ロッシが共に2勝、M・マルケスが1勝とヤマハ勢が絶好調。また、ドゥカティもストレートで圧倒的な速さを見せて好調をキープしている。
この2チームに比べて元気がないのが昨季圧倒的な強さを見せつけたレプソルホンダ。M・マルケスは上位には入るものの、昨季までの異次元とも思える速さ・強さはない。
今季も5戦を終え、大局が見え始めたMotoGP。このままヤマハ勢・ドゥカティ勢が好調をキープし名門復活となるか、それともホンダ勢の巻き返しがあるのか――昨季までとは全く違った展開となっている今季はますます面白く、目が離せなくなってきた。
次戦、イタリアGP決勝は5月31日、トスカーナのムジェロ・サーキットで開催される。(編集担当:熊谷けい)
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