日産、SUVのエクストレイルにHV追加。「ディーゼルはどうした?」の声が挙がる予感

2015年4月8日 10:17

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記事提供元:エコノミックニュース

遅れてやってきたハイブリッドSUV、国産メーカーとして3社目。日産エクストレイル

遅れてやってきたハイブリッドSUV、国産メーカーとして3社目。日産エクストレイル[写真拡大]

 日産自動車は4月7日、主力SUVのエクストレイルにハイブリッド車(HV)を設定すると発表した。5月13日から全国の日産ディーラーで発売する。

 搭載するハイブリッドシステムの構成は、フーガやスカイラインHVなどに展開してきたデュアルクラッチ1モーターによるパラレル方式で、今回初めてFFをベースとする車両に設定した。後述するHV用に改良を図った2リッター「MR20DD」エンジンを採用、同社の2.5リッターエンジンを超える加速性能を獲得したという。

 そのハイブリッドシステムに合わせて最適化した2リッター「MR20DD」エンジンは、補機ベルトの廃止や低フリクションオイルシールなどの採用により基本性能を向上させ、最高出力147Pps(108kW)/6000rpm、最大トルク21.1kg.m (207Nm)/4400rpmを発揮する。パワートレーンシステム全体を改善したことで低燃費を達成した。

 ハイブリッドシステムを構成する高性能モーター「RM31」の最高出力は41ps(30kW)、最大トルクは16.3kg.m(160Nm)。組み合わせるトランスミッションは、同社自慢のエクストロニックCVTだ。日産の上級車種同様のステップ変速制御を採用しており、優れた燃費性能に加え、力強い加速に貢献する。

 加えてハイブリッドシステムを駆動するために、コンパクトなリチウムイオンバッテリーを採用した。ハイブリッド車でありながら、ガソリン車と遜色ないVDA容量400リッター超のラゲッジスペースを実現している。

 この新型エクストレイル・ハイブリッドは20.6km/リッター(JC08モード)という低燃費を実現し、全車で平成32年度燃費基準+20%を達成し、免税措置が適用される。

 安全装備では自動ブレーキである「エマージェンシーブレーキ」システムの標準搭載などを図った。なお、日産は主要量販モデルへの自動ブレーキ標準化を2015年度秋までに完了させる計画だという。

 横須賀市の同社追浜工場内で開いた発表会で片桐隆夫副社長は「待望のHVモデルを投入する。SUVはものすごい比率で市場が伸びているが、HVの比率も高いので、お客様の期待に応えることができる」と、シリーズの販売増につなげると述べた。

 HV比率については「当面は2~3割を想定しているが、それより高まる可能性もある」との見通しを示した。HV投入後のX-TRAILシリーズ月間販売目標は3500台、現状より1000台増加させるという。つまり、HVの販売は月に1000台を計画しているというわけだ。

 グレードラインアップと価格は2WDの「20X HYBRID」が280.476万円、4WDの「20X HYBRID」301.104万円から「20X HYBRIDエクストリーマーX」の321.624万円、「20X HYBRIDブラックエクストリーマーX」の324.0万円までの計4グレードとなる。ハイブリッド車は燃費に貢献するが、先代にあった「クリーンディーゼル車を復活せよ」との声が挙がりそうな予感が……。(編集担当:吉田恒)

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