三井物産、スペインで風力発電用タワー・フランジ製造事業へ出資参画

2015年3月7日 07:12

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風量発電用フランジ・タワー(写真:三井物産の発表資料より)

風量発電用フランジ・タワー(写真:三井物産の発表資料より)[写真拡大]

 三井物産は6日、世界最大手の風力発電用タワー・フランジメーカーであるスペインのGRIグループを統括する持株会社Eolica社に出資することに合意し、3月5日に関連諸契約を締結したと発表した。

 三井物産は、独占禁止法関連当局の許認可取得後に、Eolica社が実施する第三者割当増資を引き受けると同時に、既存株主からも株式譲渡を受け、Eolica社の株式25%を取得する。

 GRIは、三井物産が2013年に出資参画した自動車プレス部品事業Gestamp Automocion社と同じGonvarri-Gestampグループ傘下であり、既存事業でのパートナーシップが本事業参画に繋がったもの。Gonvarri-Gestampグループは自動車プレス部品事業、鋼材加工事業、風力・太陽光発電事業、風力発電タワー・フランジ事業をグローバルに展開している。

 近年、持続可能な社会実現への取組みや温室効果ガス排出量の削減、エネルギー安全保障への対応、新興国を中心とした電力需要の拡大などの観点から、世界規模で風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電の重要性が高まっている。中でも、風力発電は技術革新によるコスト削減が進み、今後20年間で発電容量は約3倍に増加、全世界発電容量の10%強を占めると予想されている。

 GRIは、大手風力発電機メーカー向けに、風力発電設備を支える鋼製タワーおよびその重要部品である大型フランジの製造・販売を手掛けており、その製造能力、売上高ともに世界最大規模の企業である。現在、スペイン、ブラジル、中国、トルコ、インド、南アフリカ共和国の6カ国10箇所に製造拠点を有しており、グローバル展開している風力発電機メーカーに、世界各地で同品質のタワー・フランジ納入が可能な体制を整えている。(記事:宮野 浩・記事一覧を見る

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