選挙控えと師走相場で短期マネー中心の展開、久々にチャートの出番=犬丸正寛の相場展望

2014年12月1日 09:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 11月の月初には東証1部出来高は約52億株あったが月末では20億株強にまで落ち込んでいる。マーケットへの流入資金指標の売買代金も月初の5.4兆円ていどから2.1兆円ていどへ大幅に減少している。

 これは、(1)9月期決算銘柄買いの一巡、(2)麻生副総裁の円安牽制、(3)12月14日に衆議院選挙投票、(4)師走相場入り~、などが背景としてあるため買い人気にブレーキがかかっている。

 この中で注目材料はやはり3週間先に控えた選挙である。自民・公明の優位は揺るがないものの、「選挙は水もの、フタを開けるまでは分からない。最近は内閣支持率も50%前後まで下がっているし、総理自身も過半数に達しなければ退陣を口にしている。投資家にとって、『退陣』という2文字はけっこう重い」(中堅証券)という。

 投資家のスタンスとしては、常識的には「選挙結果を見てからで十分に間に合う」ということだろう。しかも、日本特有の「師走相場」である。選挙までは、「短期マネー」が中心の展開が予想される。

 言うまでもなく回転売買が中心の短期マネーは値動きの軽い銘柄に照準を当ててくる。12月には26社もの新規上場が予定されているため、この面からも小型銘柄が人気となろう。新規上場銘柄人気の波及が予想されるような同業種銘柄や先輩上場銘柄で高値から大きく下げて下値水準でモミ合っているような銘柄が買われるものとみられる。久々に「チャート」が出番の相場といえる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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