配線や電池が要らない環境発電型無線スイッチ「村田製作所」から

2014年7月26日 19:53

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記事提供元:エコノミックニュース

「Techno-Frontier2014」の村田製作所ブースで展示された圧電発電型デバイス。右が押すタイプスイッチ型、左は回転&スライド型に対応するデバイスだ。

「Techno-Frontier2014」の村田製作所ブースで展示された圧電発電型デバイス。右が押すタイプスイッチ型、左は回転&スライド型に対応するデバイスだ。[写真拡大]

 7月23日から東京・台場のビッグサイトで開催された「Techno-Frontier2014」で見つけた、すぐに我々の生活で使えそうなモノ。

 それは、村田製作所が発表した、圧電発電デバイスを利用した無線スイッチだ。圧電体セラミックスと呼ばれる結晶に圧力を加えると、片面は正の、他面は負の電荷が現れる。逆に引っ張ると、両面には、圧力を加えたときとは反対の電荷が発生する。つまり電力が発生するのだ。

 今回、同社が発表した圧電スイッチは、圧電体セラミックスの分極を利用して、「人間がスイッチを押す動作だけで発電して、無線で照明機器などのON/OFF」を行なうスイッチだ。独自の構造、圧電技術によって低荷重駆動、つまり「指で軽く押すだけで」駆動する普通のスイッチを作動させる感覚で大きな電力を生み出しているという。

 展示サンプルのサイズは、幅70mm×長さ120mm×厚さ13mmとコンパクトで、通常の壁埋め込みスイッチよりも薄いのが特徴。通常の照明器具などのリモコンのように電池交換なども必要なく、メンテナンスフリーだ。無線スイッチなので配線は必要なく設置場所を選ばない自由なレイアウトが可能だ。動作音もなく、快適なスイッチの耐用回数は20万回という。

 また、回転型の発電デバイスも発表され、扇風機の風量調整に回転スイッチを操作する感覚のリモコンとして使えそうだ。また、歯車機器と組み合わせることでスライドスイッチにも応用できる。このスライド型なら照明機器の調光スイッチなどに応用が見込めそうだ。

 発電型スイッチには、エネルギーハーベスト素子(圧電体セラミックス)とパワーマネジメント回路を組み合わせた圧電発電モジュールと通信モジュールが内蔵され、照明機器などと無線で繋いで操作する。

 このスイッチを見て思い出したのは、図書館や美術館、音楽ホールなど公共施設などを管理する立場の役人のある“ぼやき”だった。それは、それら公共施設のトイレに設置している温水洗浄便座の壁掛リモコン機器から単三乾電池を盗む子供たちに閉口しているというのだ。このリモコンスイッチに圧電発電モジュールを使うというアイデアはいかがだろうか。(編集担当:吉田恒)

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