「二日新甫」の6月相場は2月相場型展開を期待して富士通グループ株に再出番=浅妻昭治

2014年6月2日 12:07

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<マーケットセンサー>

  6月相場である。その6月相場は、またまた「二日新甫」で要警戒などとアドバイスしたら、読者の皆さんから心配のし過ぎと笑われそうだ。大型連休の4月末の当コラムでも、米国の相場格言の「Sell in May,and Go Away(5月には売り逃げろ)」を持ち出し、昨年5月の「バーナンキ・ショック」による世界的な株価急落の再現リスクに言及し、見事に大曲りとなったばかりだからである。

  その5月相場は、米国の相場格言とは裏腹に推移してそのものを裏切って上出来であった。米国のダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数は、前週末30日にともに史上最高値を更新して終わり、わが東京市場も、日経平均株価が、今年初めて月間ベースで上昇して東証株価指数(TOPIX)は、7営業日続伸、東証第1部の売買代金も、17営業日ぶりに活況の目安の2兆円を上回り、東証マザーズ指数に至っては、9営業日続伸となった。

  さらに目立ったのが、全市場合計で月間上昇率ランキングのトップに躍り出たミクシィ <2121> (東マ)をリード役に、新興市場のゲーム関連株、バイオ関連株などにストップ高する銘柄が続出する好循環となったことである。個人投資家を中心にして市場センチメントが、急速に好転したことを象徴した。

  もちろん、「二日新甫」は、その月の初商いが2日にスタートする月間相場が、荒れるとする相場アノマリーだが、その「荒れる」は上に急騰も下に急落することも示唆している。例えば今年は、2月と3月が、ともに月初商いが3日にスタートする変則の「二日新甫」となったが、その相場展開は、対照的であった。2月相場は、黒田日銀の疑似追加金融緩和策をテコに日経平均株価が、1万4000円台割れから1300円高したが、3月相場は、その戻り高値からほぼ往って来いで再度、1万4000円台で下値を試す調整となった。

  市場では、いまのところ6月相場が、上に荒れるのも下に荒れるのも政策次第との観測が有力である。上に荒れるのは、黒田日銀の追加金融緩和策が発動されて外国人投資家が、ポジティブ・サプライズとして日本株買いに殺到するケース、下に荒れるのは、今月6月にまとめられる予定の「アベノミクス」の成長戦略が、材料出尽くし・織り込み済みとして同じく外国人投資家が日本株を売ってくるケースなどが想定されている。

  6月の「二日新甫」相場が、2月相場型になるか3月相場型になるか予断を許さないということになるが、ここでは、5月後半に新興市場株で投資資金を好回転させてリスク許容度を増した個人投資家が、さらに「イケイケドンドン」と買い姿勢を強めると仮定して、2月相場型の展開が続くと期待する投資スタンスで臨みたい。となれば、投資ターゲットとしても、2月相場で年初来安値から2月高値655円まで3割高して日経平均株価をオーバーパフォーム、出遅れ修正に先行した富士通 <6702> を含めた富士通グループ株が、再浮上する可能性も出てくる。(本紙編集長・浅妻昭治)(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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