【相場熟者が答える投資相談】日本製鋼所のアドバイスを

2014年5月27日 09:31

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  【問い】 日本製鋼所 <5631> を450円で1000株持っています。もう下がらないだろう思い買ってしまったのですが、アドバイスをよろしくお願いします。(千葉県・D)

■足元では底入れ感、戻り待って売却を

  【答え】 東京電力福島第1原発事故後、安全性の保証をせずに大飯原発3、4号機を再稼働させたとして、福井県の住民らが関西電力に運転差し止めを求めた訴訟の判決で、福井地裁が21日、定期検査中の2基の運転差し止めを命じる判決を言い渡したことを受け、原発関連ということが嫌気され上値の重い展開となっています。同社が原子力発電所の格納容器で8割強と圧倒的な世界シェアを占めていることが改めて警戒されているようです。

  足元の業績、今3月期業績予想は売上高2000億円(前期比6.0%増)、営業利益95億円(同7.2%増)、経常利益100億円(同3.0%増)、純利益60億円(同8.6%増)と回復を見込んでいます。年間配当は前期と同じ5円を予定しています。素形材エネルギ-事業は、電力製品の売上伸長も原子力製品の受注ズレ及びクラッドパイプの売上減少の影響を受ける見通し。産業機械事業は、樹脂・射出機は売上伸長もIT関連製品の仕向先要因やその他機械の売上減少要因もあり前期比並みの営業利益を見込んでいますが、本年からの本格回復はもう少しズレ込む予定です。

  株価は、1月10日につけた年初来の高値590円から5月12日に年初来の安値378円と調整。その後、もみ合いとなっています。モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の指数銘柄の定期見直しで、除外されましたので、25日移動平均線が上値抵抗線となった感があります。シェールガス向けの造粒機の受注など期待材料はありますが、構造転換が進むか見極める段階で、バリュエーション的には、今期予想PER24倍台とやや割高、買い手がかりに乏しいといえます。国内では原発再稼動と新設に対して慎重姿勢が強まると予想されますので、多少強含む場面があれば、売却したほうが無難でしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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