東芝、きもと、NECなど/本日の注目個別銘柄

2014年1月31日 15:33

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記事提供元:フィスコ


<6502> 東芝 432 -35売り優勢。前日に第3四半期の決算を発表、ネガティブに受け止められている。10-12月期営業利益実績は478億円、前年同期比では62%増益となったが、700億円レベルであった市場予想は下回る格好に。通期予想は2900億円を据え置き、市場予想は3100億円を上回るレベルであったが、こうした上振れ期待も後退する状況か。海外原発事業の採算悪化が想定比での業績下振れの主因となっている。

<6702> 富士通 578 +66買い優勢。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業利益は262億円となり、市場コンセンサスや会社計画をそれぞれ50億円以上上回る着地となった。UBSでは投資判断を「セル」から「ニュートラル」に格上げ、国内SIサービス産業の回復明確化、携帯事業人員の配置転換などといった業績改善要因が出てきており、課題事業への懸念は一旦後退すると判断のもよう。

<4902> コニカミノルタ 1092 +71急騰。発行済み株式数の3.8%に当たる2000万株を上限に、自社株買いを実施すると発表、規模も大きく需給改善期待が先行する展開になっている。取得期間は本日から4月末まで。同時に発表した第3四半期決算は、会社計画や市場予想に沿ったものでインパクトは乏しいが、リストラ効果などによる来期業績への期待感の高まりにはつながっているようだ。

<6754> アンリツ 1137 +103大幅高。前日に第3四半期の決算を発表、通期営業利益は170億円から143億円に下方修正しているものの、悪材料出尽くし感につながる形のようだ。下方修正は必至と見られていたなか、むしろ、下方修正後の1-3月期営業利益は54億円を想定しており、10-12月期営業利益実績26億円からは急回復の格好となっている。また、10-12月期受注高は急回復、市場予想を上回る水準になっており、来期以降の業績好転に対する期待感にもつながる。

<7276> 小糸製 2102 +197大幅高。前日に第3四半期決算を発表、通期予想を上方修正しており、評価の高まりにつながっている。累計営業利益は296億円で前年同期比18.5%増益、通期予想は400億円から440億円に上方修正している。実績値は市場予想を20億円強上回ったと見られる。通期見通しもコンセンサスを上回っている。販売数量の上振れが背景、北米での生産トラブル終息も評価材料となっているもよう。

<7007> 佐世保重工業 137 +13急伸。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業損益は4.4億円の赤字となり、前年同期比では11.2億円の収益改善となっている。とりわけ、10-12月期では20.6億円の営業黒字、同22.4億円の収益改善に。通期予想は24億円の赤字で前期比11.1億円の収益悪化見通しであるが、上振れの可能性は高いといった見方にも。また、受注環境の回復傾向を受けて、新造船の引渡し隻数を2015年度より年間6隻から8隻に増産する方針ともしている。

<7908> きもと 800 -150ストップ安。前日に発表した第3四半期の決算内容が嫌気される。累計営業利益は22.1億円で前年同期比12.9%増益だが、10-12月期は4.8億円で同46.2%減益に。主力のハードコートフィルム出荷の下振れが要因に。いちよしではレーティングを「A」から「B」に格下げ、フェアバリューも1500円から1100円に引き下げている。ミドルエンド製品の展開には時間を要するとの見方に修正へ。

<6701> NEC 299 +29買い優勢。前日に第3四半期の決算を発表、10-12月期営業利益は233億円となり、160-170億円の市場予想を上回る着地となった。上半期決算では未達懸念が強まった通期計画だが、達成確度はやや高まる方向にも。また、ビッグローブ売却、フィールディング<2322>の完全子会社化といったグループ再編の動きも、事業の選択と集中という観点から評価を高めているようだ。

<9086> 日立物流 1631 +144大幅高。前日に決算発表を行っているが、過度な警戒感の後退につながる形と見られる。第3四半期累計営業利益は140億円で前年同期比3.7%減益だが、10-12月期では60.5億円で同35.9%増益になっている。通期計画未達懸念は残るものの、下方修正発表も警戒されていただけに、短期的には安心感が先行している。

<6770> アルプス電気 1364 +33前引け後に決算を発表、後場寄りの買い先行後は地合いの悪化に押されて急速に伸び悩んだが、再度切り返す展開となる。第3四半期累計営業利益は228億円で前年同期比4.2倍、通期予想は240億円から280億円に上方修正。好決算期待は高かったものの、第3四半期累計営業利益の市場予想は200億円程度であったとみられ、大きく上振れる状況となった。

<9104> 商船三井 426 -3後場は売り優勢の流れに。前引け後に第3四半期の決算を発表、累計経常利益は370億円、前年同期比527億円の改善となっているが、前日の観測報道では400億円の黒字とされていたことで、下振れる格好になっている。ちなみに、観測報道前の市場コンセンサスは430億円強であったと捉えられる。海運大手3社の中では、コンセンサス比での下振れが目立つ状況に。《FA》

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