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美容室、生き残りのカギは「お年寄り」か
美容室の数が増え続けている。厚生労働省の最新データによると、平成25年3月末時点で、全国に23万1134件。前年度から1.2%増加した。
それ以上のペースで増えているのが美容師だ。今や全国に47万9509人。前年度からは8348人増加しており、この20年でほぼ1.5倍に増えた。90年代後半の「カリスマ美容師ブーム」以降、美容師を目指す若者が急増したのが主な要因だ。00年代に入ってからは、それまでの2倍近いペースで美容師が増えている。
最近の美容業界は「店舗過剰・低価格化・客数の減少」に悩まされている。特に客数の減少については、オーナーの多くが経営上の課題として第1にあげているようだ(※注1)。リクルートライフスタイルの調査(※注2)では、美容室の中心顧客である20~40代の女性が、カットやカラーにかける金額は減少傾向にある。「ヘアサロンの利用は1年に1回のみ」という女性も微増している。減り続ける利用客を、増え続ける美容室と、それ以上のペースで増え続ける美容師が「奪い合う」構図になっている。
美容室や美容師たちは、今後どのようにして生き残っていくべきか。カギは「お年寄り」だ。厚労省が4年前に公表した「美容業の振興指針」の中には、「高齢者」というキーワードが8回も登場する。美容業界にとっては若者向けに最新メニューを取り揃えるのも重要だが、高齢者向けサービスを充実させることが求められているのだ。
一店舗あたりの顧客と売上が減る中、今後は新たな業態として「高齢者に対応したヘアサロン」が出てくる可能性がある。たとえば中高年向けのリラクゼーションメニューを充実させ、店内をバリアフリーにしたヘアサロン。また、独立した美容師が、高齢者を対象に「訪問美容サービス」を始める例も増えるだろう。少子化、高齢化が進む中、美容業界の次の一手は、年配顧客の取り込みかもしれない。(編集担当:北条かや)
(※注1:厚労省「生活衛生関係営業の概要」美容所概要)
(※注2:株式会社リクルートライフスタイル『美容センサス2013年下期』)
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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