【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ユーグレナは二番底形成、上場後の高値挑戦へ

2013年9月30日 09:21

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  ユーグレナ <2931> (東マ)の株価は出直りの動きが本格化している。強基調への転換を確認した形であり、上値余地があるだろう。中期成長力を再評価する動きが強まり、高値圏回帰に向けて一段高の可能性もありそうだ。

  05年5月設立の東京大学農学部発ベンチャーである。05年12月に沖縄県石垣島で微細藻類「ユーグレナ(和名ミドリムシ)」を、食品として屋外大量培養することに世界で初めて成功した。植物と動物の両方の性質を持ち合わせる「ユーグレナ」は、優れた光合成能力や59種類の豊富な栄養素などが注目されている。現在は世界で唯一、数十トン規模で商業用に屋外で大量培養している。品質改良によって油脂生産性が高く、増殖速度が速い「ユーグレナ」株を保有していることも強みだ。

■植物と動物の両方の性質を持つ『ユーグレナ」』、食料、飼料、燃料向けに有望

  現在の収益柱は「ユーグレナ」を機能性食品としてOEM供給するヘルスケア関連事業で、自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販も強化している。13年3月には「ユーグレナ」の受託生産と微細藻類「クロレラ」の食品向け生産を手掛ける八重山殖産(沖縄県石垣市)を完全子会社化した。さらに先端設備導入によって「ユーグレナ」の培養能力増強を進める方針だ。

  中長期的には「ユーグレナ」の利用可能性に着目し、石垣島における屋外大量培養技術をベースにして「Food=食料」「Fiber=繊維」「Feed=飼料」「Fertilizer=肥料」「Fuel=燃料」の順に、重量単価(kg当たり売価)の高い分野から順次参入する「バイオマスの5F」を基本戦略としている。ヘルスケア関連事業で安定的なキャッシュフローを創出しながら、将来収益の獲得に向けてエネルギー・環境関連事業への投資を進める戦略だ。

  研究開発面では「ユーグレナ」を活用した機能性食品、化粧品、飼料、医療用パラミロンフイルム、水質浄化技術、バイオジェット燃料などの開発、低コスト化へ向けた「ユーグレナ」の改良に取り組んでいる。9月25日には、奈良先端科学技術大学院大学発のバイオベンチャーである植物ハイテック研究所を子会社化(株式取得予定日10月25日)すると発表した。同社の子会社化で「ユーグレナ」の形質転換による光合成能力や油脂生産性の向上、新たな有用物質生産手法の確立などの効果を見込んでいる。

  なお9月10日には、初の海外拠点としてバングラデシュの首都ダッカに事務所を開設(10月1日)すると発表した。バングラデシュにて栄養問題の解決を目指した「ユーグレナ」入り食品の普及を行うための拠点とし、将来の市場性も想定してバングラデシュ国内企業やNGOとの連携を構築するようだ。

  今期(13年9月期)の連結業績見通しは、売上高が20億55百万円、営業利益が1億34百万円、経常利益が2億25百万円、純利益が4億45百万円としている。前期非連結ベースとの比較で29.7%増収、56.3%営業減益、30.8%経常減益、2.3倍最終増益である。知名度向上のための広告宣伝費増加などで営業減益、経常減益だが、八重山殖産の子会社化に伴う負ののれん発生益計上で純利益は大幅増益の見込みだ。

  来期(14年9月期)については、研究開発費の増加や研究助成金の変動の影響を受け、負ののれん発生益一巡も影響して純利益は減益の可能性だが、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」の直販が大幅増収基調であり、化粧品OEM供給の本格化、八重山殖産の通期連結なども寄与して大幅増収、大幅営業増益が予想される。

  なお9月20日に株主優待制度(100株以上の保有株主に1000円相当の自社製品を贈呈)の導入を発表した。さらに今期終了後に中期計画の発表を予定している。重点戦略としては「豊かな太陽に恵まれた石垣島ですくすく育つユーグレナ」というイメージ戦略で、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販を一段と強化するようだ。このため来期以降の営業利益率の一段の向上が期待される。

  株価の動き(効力発生日10月1日付で株式5分割のため修正株価)を見ると、市場全体の調整やバイオ関連の人気離散が影響して5月1日高値3302円から反落し、8月30日には991円まで調整する場面があったが、これをボトムとして急反発した。

  9月期末権利落ち後の9月26日には、前日比285円(20.48%)高の1677円まで急伸し、7月の戻り高値1596円を上抜く場面があった。そして9月27日には終値(1647円)で1600円台を回復した。5月の高値から約3割の水準で調整が一巡し、出直りが本格化している。中期成長力を再評価する動きだろう。

  週足チャートで見ると、13週移動平均線に続いて26週移動平均線も突破した。強基調への転換を確認した形だろう。前回のレポートで当面のターゲット水準とした26週移動平均線突破の1500円~1600円近辺をクリアしたが、引き続き上値余地があるだろう。次のターゲット水準は2000円台回復だが、中期成長力を再評価する動きが強まり、5月高値圏回帰に向けて一段高の可能性もありそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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