JOGMEC、南鳥島沖の公海域でレアメタル探査鉱区を取得

2013年7月22日 18:51

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位置図(画像:JOGMEC)

位置図(画像:JOGMEC)[写真拡大]

  • コバルトリッチクラストの断面(写真:JOGMEC)

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は22日、7月20日に、国連海洋法条約に基づき公海域の深海底鉱物資源を管理する国際海底機構理事会の承認を得て、南鳥島の南東沖約600kmの公海域にコバルトリッチクラストの探査鉱区(面積3000km2)の排他的権利を取得したと発表した。

 コバルトリッチクラストは、水深1,000~2,000mの海山の頂部や斜面を厚さ数cm~数10cmでアスファルト状に覆っている、コバルト、ニッケル、白金等のレアメタルを含む鉄・マンガン酸化物のこと。今回、その探査鉱区の排他的権利を取得したことにより、日本が海外に供給を依存するコバルト、ニッケル、白金等のレアメタル資源について、自国による将来的な開発が可能となる。

 JOGMECは経済産業省の委託を受け、1987年から西太平洋の公海域でコバルトリッチクラストの賦存状況調査を実施してきた。2012年7月に、国際海底機構でコバルトリッチクラストの探査規則が制定され、鉱区申請が可能となったことを受け、JOGMECは直ちに探査鉱区の申請を行い、今年2月の国際海底機構法律・技術委員会の審査を経て今回の承認に至った。これは同探査規則が制定されてから初の事例となるもの。

 なお、日本の企業等が国際海底機構から深海底における排他的探査権を取得したのは、1987年にハワイ南東沖でマンガン団塊鉱区(面積7.5万km2)を取得して以来、26年ぶりとなる。

 今後JOGMECは、国際海底機構との調整を経て、今年度中を目処に同機構から15年間にわたり当該鉱区を探査する排他的な権利を取得し、コバルトリッチクラストの資源量を把握するための本格的な調査や環境保全に配慮した開発技術等の調査研究に取り組む予定。

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