関連記事
選挙後相場は急伸あっても単発、『異次元金融緩和』のような大材料が出るわけではない=犬丸正寛の相場展望
21日(日)の参議院選挙を控えて、『短期マネー』が換金売りを急いだことで週末(19日)の日経平均は反落した。7月1日~18日まで、日経平均の『日々の高値と安値の幅』は平均208円だったが、19日には一気に540円に拡大した。主力の外国人投資家の買いが入っていないことから短期資金が売りに回ればストンと下げてしまう。主力不在の象徴的な展開といえる。
短期マネーが売り急いだのは、参議院選挙で保守勝利は確実と言われているものの、選挙は水ものと言われることから、もしも大勝とならなかった時を考えて換金を急いだということだろう。また、保守が圧勝したとしても相場的には織込み済みの可能性もある。とくに、自民党が勝ったからといって、早速、次の日に4月の異次元金融緩和のような大材料が出るわけではない。
そして、もう一つ、短期マネーが売り急ぐ理由としては、『中国リスク』が指摘されている。「IMFからシャドーバンキングの改革を求められるなど中国は難しい局面にある。これからも、連休前になると中国リスクから、買い手控えや換金売りは出る展開が予想される」(中堅証券)。
シャドーバンキング(影の銀行)の融資残は公式発表されているだけで140兆円規模。実際には数百兆円、一説には1000兆円近くともいわれ不良債権化すれば日本のバブル崩壊時の金融不安とは比べものにならないほど影響は大きいと予想される。しかも、中国経済は物づくりのしっかりとした基盤ができていないため、金融が崩壊したらその後の再興には、日本の20年以上となる心配がある。
このため、この点をアメリカはそうとう警戒しているもようである。米FRB議長が量的金融緩和縮小を5月に口にしてから今日まで実施を見送っているのは、中国経済に対する配慮があるものとみられる。もっとも、量的金融緩和縮小の延期でNYダウが強いことはプラスではあるが。
さて、選挙後の日本のマーケットはどう動くか。短期マネーは引き続き活発な動きを見せるものとみられる。しかし、相場本格上昇のポイントは主役の外国人投資家である。とくに、日経平均が1万5000円に接近となっているこの水準からは売物が出てくる。短期マネーだけでは吸収は無理だろう。見所としては、5月23日の5兆8000億円から減少し、現在、2兆円程度となっている『売買代金』が、どのていど増えてくるかである。少なくと3兆5000~4兆円まで増えることが相場上昇の条件とみられる。
仮に、外国人投資家が日本株買いに動くとすれば、選挙に勝利し『政権安定』ということに対する評価だろう。世界を見渡して、『景気回復』、『政権安定』、『世情安定』という3つがそろっているのはアメリカと日本くらい、ということに対する評価が高まることだろう。
しかし、それも選挙直後だけで長続きはしない可能性がある。理由の一つは、具体的な目に見える新しい政策が出るわけではないこと。もうひとつは外国人投資家の夏休みということがある。
こうした観点からは、夏相場は強いものの、高値圏でのモミ合いが予想され、本格的な相場は秋からということになりそうだ。引き続き短期マネー中心の目まぐるしい展開の相場が予想される。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
【関連記事・情報】
・【チャート診断】川崎重工は30日線上回り好チャート、IHIを追って高値401円へ挑戦(2013/07/17)
・【じっくり投資コーナー】日本精工の業績に上ブレ期待、1円の円安で6億円の増益効果(2013/07/17)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
