IHIや日揮、ブラジル造船会社へ出資 海洋資源開発事業への参画を目指す

2013年6月13日 12:43

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 IHIは12日、日揮およびIHIの持分法適用関連会社であるジャパンマリンユナイテッドと共同で、ブラジルのアトランチコスル造船会社への出資を目的とした特定目的会社「JAPAN EAS INVESTMENTOS E PARTICIPACOES LTDA(以下JEI)」を設立すると発表した。なお、新たに設立するJEIはIHIの連結子会社となり、JEIを通じて出資を行うアトランチコスル造船会社はIHIの持分法適用関連会社となる。

 世界では、石油や天然ガス需要の増大を背景とし、海洋資源開発のための海洋構造物、プラントへの投資が増加しているが、特にブラジルは世界屈指の海洋資源開発投資が注目されている。

 アトランチコスル造船会社は、ブラジルの海洋産業の振興を目的として、ブラジルの大手ゼネコン2社を株主とし、ブラジル国立経済社会開発銀行の融資のもとに設立された造船会社であり、エネルギー大手のブラジル国営石油公社ペトロブラスとも強固な関係を有している。

 IHIグループとアトランチコスル造船会社は、IHIの連結子会社であったアイ・エイチ・アイマリンユナイテッド(現ジャパンマリンユナイテッド)との技術協力契約などを通して関係を深めてきたが、今回アトランチコスル造船会社の株主より資本参加の要請を受け、慎重に検討を進めてきた。

 その結果、アトランチコスル造船会社が現時点において大型の船舶、海洋構造物を建造できるブラジル国内における唯一の造船所であり、ペトロブラス向けに石油資源開発用ドリルシップ7隻、タンカー20隻等の豊富な受注残を有していること、また将来FPSO(Floating Production,Storage and Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)建造事業への参画も予定しているなど、今後のさらなる成長が期待され、十分な投資回収が見込まれることから、今回の出資要請に応じることとした。

 具体的には、IHI、日揮およびジャパンマリンユナイテッドの共同出資により設立される特定目的会社JEI(出資比率はIHI:60.448%、日揮:24.627%、ジャパンマリンユナイテッド:14.925%)は、アトランチコスル造船会社が行う総額2億100万レアル(約90億円)の第三者割当増資を引き受ける。第三者割当増資を引き受けた結果、アトランチコスル造船会社に対するJEIの議決権比率は約25%となる。

 IHIは過去長年にわたり、Ishikawajima do Brasil Estaleiro S.A.(イシブラス造船所)を通じてブラジルとネットワークを築いてきたが、今回アトランチコスル造船会社への出資を通して、同社の株主であるブラジルの大手ゼネコンや、主要取引先であるペトロブラスとの関係を強化し、より効率的に製品・サービスを提供できるネットワークを構築していく。

 なお、JEIはさらに他の出資者を募り、アトランチコスル造船会社に対する日本側出資シェアを最終的に3分の1まで拡大させていく予定。

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