国際石油開発帝石、豪イクシスLNGプロジェクト向けLNG運搬船の傭船契約など締結

2013年6月5日 11:41

印刷

 国際石油開発帝石は4日、同社がオーストラリアで操業主体(オペレーター)として開発作業を進めているイクシスLNGプロジェクトから生産されるLNGを輸送するLNG運搬船について、同社の完全子会社であるインペックス・シッピングを通じて、新規造船・保有および定期傭船契約を関係各社と締結したと発表した。

 国際帝石は、今回インペックス・シッピングを通じて、川崎汽船とLNG船1隻を共同で保有することを目的に共同出資会社オーシャン・ブリーズ・LNG・トランスポート社(OBLT社)を設立し、三菱重工業との間で造船契約を締結した。

 さらに国際帝石は、イクシスLNGプロジェクトから生産されるLNGのうち自社引き取り分のLNG年間90万トンを現在同社が新潟県上越市に建設中の直江津LNG受入基地に輸送するための定期傭船契約を、OBLT社との間で締結した。

 直江津LNG受入基地向けに新造されるLNG船は、タンク容量約155,300立方メートルと大型タイプであり、4基あるモス方式球形タンクを船体と一体構造のカバーで覆う「さやえんどう」型の船型を採用している。これにより、船全体の強度を確保しながら軽量化をはかるとともに、航行中の風圧による抵抗を大幅に軽減する。同LNG船は三菱重工業の長崎造船所にて建造され、イクシスLNGプロジェクトからの生産開始が予定されている2016年末までに就航する予定。

 また、国際帝石は、イクシスLNGプロジェクトから生産されるLNGのうちLNG売買契約を締結している台湾のCPC Corporation, Taiwan向けLNG年間175万トンの輸送を目的に、同じくインペックス・シッピングを通じて、イクシスLNGプロジェクトパートナーであるトタール社子会社とともに共同出資会社アイティー・マリーン・トランスポート社を設立し、川崎汽船との間でLNG船の定期傭船契約を締結した。

 なお、川崎汽船はこの台湾CPC向けのLNG船1隻(タンク容量約182,000立方メートル)を川崎重工業の坂出工場にて新造し、2016年末までに就航させる予定。この船はモス方式LNG船では世界で初めて(ガスと油の両方を燃料とするディーゼルエンジンによる)電気推進方式を採用しており、燃費性能において優れている。また、モス方式LNG船では世界最大の船型となる。

 今回の直江津LNG受入基地向けLNG船の新規造船・保有および定期傭船契約の締結、そしてCPC向けLNG船の定期傭船契約の締結によって、イクシスLNGプロジェクトから生産されるLNGの輸送体制が確実なものとなる。

関連記事