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バイク市場の動向を握る女性ユーザー
日本自動車工業会によると、2012年(1-12月)の二輪車国内販売台数は、原付第一種・第二種の低迷を受け、前年比0.6%減の44万2000台と2年ぶりに下回ったが、全国軽自動車協会連合会の発表から、2013年4月の軽二輪車(126~250cc)および小型二輪車(251cc~)新車販売台数は、それぞれ前年同月比を上回り、軽二輪車では13カ月、小型二輪車では16カ月連続で前年を上回っていることがわかった。
近年、日本の「かわいい」文化が西欧や米国で浸透し、世界中に広がりをみせる中、日本女性におけるかわいい離れは急速に進んでいる。最近の流行は単なる「かわいい」ではなく、別の言葉を組み合わせた「キモかわいい」や「ゆるかわいい」などの複合語。その中でも今とくに注目されているのが「かっこかわいい」という言葉だ。ただし、この複合語を理解するには少し気を付けなければならない。若者言葉の「かわいい」には、もはや一般的なかわいい要素はほとんど含まれていない。若者たちが「かっこかわいい」と指すものは、オトナの世界ではかっこいいに限りなく近いものであり「かっこいい」は、幅広い年齢層に支持されている。
3月に開催された東京モーターサイクルショーでは、パートナーと交互に大型バイクに跨る女性の姿が目立った。年々、バイクのかっこよさにあこがれる女性が増えている。今年の東京モーターサイクルショーは前回、前々回と違い、女性だけをターゲットにした展示品が少なくなっていた。それでも女性たちの満足度はけっして低くはない。女性たちが追い求めるのは女性でも乗りやすいバイクやかわいいデザインのバイクではなく、ハーレーダビッドソンのようなかっこいいバイクだからだ。あこがれや理想という意味では、バイク関する男女差や年齢差が少なくなりつつある。
しかしながら、女性と男性では、バイクに乗るシーンや購入目的は大きく異なる。2011年度二輪車市場動向調査(日本自動車工業会)より、新車購入者の二輪車観は、女性では「交通手段としての乗り物」「生活道具としての乗り物」として意識している人が多いのに対し、男性では「趣味の乗り物」として意識している人が多いことがわかる。東京モーターサイクルショーにおいて、大型バイクに跨りつつも電動バイクを含む原付第一種や第二種に興味を寄せる女性が多かったことも頷ける。国内販売台数が低迷している原付第一種・第二種であるが、諸経費の安さや燃費の良さは家計を預かることの多い女性にとって魅力的だ。
かつては、黒や青といった色に抵抗感を持つこと女性も多くいたが、黒色が中心であるスマートフォンの普及に伴い、これらの色も抵抗なく受け入れられるようになった。また、世代間による好みのバラつきも少なくなりつつある。冷え込みが続くバイク市場であるが、今ある数多くの製品のかっこよさや経済的メリットを女性に対してどのようにみせるかによって、市場の動きは変わるのではないだろうか。(編集担当:中村小麦)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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