日産、英サンダーランド工場でインフィニティを生産

　日産自動車の海外向け高級車ブランド「インフィニティ」は19日、世界的なプレゼンスを拡大する計画の一環として、英サンダーランド工場でインフィニティの車両を生産すると発表した。

　今回の決定により、同工場への約2億5千万ポンド（約340億円）の実質的な投資に加えて、サンダーランド及び英国全土において新たに1,000人以上の雇用が生まれることになる。なお、今回、英国自動車産業としては23年ぶりに新たなブランドの車種が生産されることになるという。

　日産自動車の副社長兼チーフ・パフォーマンス・オフィサー（CPO）であるコリン・ドッジ氏は、「サンダーランド工場でプレミアムな商品を生産することは、当社の英国産業へのコミットメントの証であり、バリューチェーンを繋ぐこの工場が常に成功し続けていることの証。加えて重要なのは、世界中に輸出される新しいインフィニティのモデルは、ロンドンのデザインセンターとクランフィールドの欧州テクニカルセンターが開発に寄与しているということだ」と述べている。

　また、サンダーランドでの式典に出席した、英国のビジネス・改革・技術相のヴィンス・ケーブル氏は、「サンダーランドは、この新しいプレミアムコンパクトカーを作る世界で唯一の工場となる。英国における日産の力強さは日々増してきている。車両を生産し、世界中に輸出するだけでなく、それらの車両の設計と開発に貢献してきた。本日のこのニュースは、より強い経済を構築するだけでなく、雇用を創出し、技術者を育成し、英国の自動車産業の品質を向上させることになるだろう。自動車産業は英国政府と民間企業によるパートナーシップという英国産業戦略のサクセスストーリーの一つだ」と述べた。

　なお、インフィニティの新しいプレミアム・コンパクト・エントリーモデルの英国における生産は2015年から開始される。これにより、プレミアム市場の中心で初めてライバルメーカーとの競合に本格的に加わり、また「世界市場で戦うことのできる競争力を持つプレーヤーになる」というインフィニティの野心的な計画を推し進めることが可能となる。

　また、今後インフィニティの生産をサンダーランドで行うことにより、今年4月に発表された新しいCセグメントハッチバックはサンダーランド以外の工場で生産されることになるという。