三井物産、ロシアの搾油事業最大手と資本業務提携 穀物輸出事業強化

2012年7月3日 10:40

印刷

 三井物産は2日、ロシアにおける搾油事業最大手であり、穀物輸出設備を有するサドルージェストヴォ・グループ社への10%の出資参画に合意し、関連契約書に調印したと発表した。また同時に戦略業務提携契約を締結し、穀物輸出事業での協業を目指す。

 サドル社は、大豆等の搾油事業及び大豆ミール等飼料用タンパク原料販売事業を手掛けており、ロシア西部のカリーニングラード州で搾油工場を運営すると共に、ロシアで希少性の高い不凍港湾設備や穀物輸送用貨車等の優良物流インフラを自社保有している。こうしたインフラを活用して既に飼料原料の一貫供給体制を構築している一方、今秋からはロシア・旧ソ連圏産穀物の輸出事業も本格的に開始し、欧州・アフリカ・中近東等に穀物を輸出する予定。

 三井物産は、サドル社との戦略業務提携契約に基づいて、サドル社が集荷するロシア・旧ソ連圏産穀物の優先買付権を取得し、輸出・販売することを計画している。また、畜肉需要が増加しているロシア及び旧ソ連圏での飼料畜産事業でも協業し、サドル社が進める取扱商品の拡充や高付加価値化に協力し、販売促進にも貢献する。さらに、三井物産の総合力をサドル社の成長に活かす施策も順次検討していく。

 世界の穀物需要拡大が見込まれる中、三井物産は産地の多様化により穀物の安定供給体制の強化を図ってきた。今回の出資と業務提携によって、三井物産が展開する穀物事業に、世界有数の穀物輸出国であり穀物生産の拡大が見込まれるロシアが加わり、既存の北米、南米、オーストラリア等と併せ、世界的な穀物集荷体制が強化されることになる。

関連記事