ソニーとパナソニック、テレビ向けなど次世代有機ELパネルを共同開発

2012年6月25日 17:45

印刷

 ソニーとパナソニックは25日、本日付で、テレビ・大型ディスプレイ向けの次世代有機ELパネルおよびモジュールを共同で開発する契約を締結したと発表した。

 今回の合意に基づき、両社は、有機ELの製造において、両社が有する基本技術および印刷技術を活用し、次世代の有機ELパネルおよびモジュールを共同で開発する。今回共同開発を進める、印刷をベースとした次世代の有機EL技術は、大型かつ高精細の有機ELパネルおよびモジュールを低コストで量産するのに適した技術。両社は、それぞれが有する技術を持ち寄ることで開発効率を高め、2013年内の量産技術の確立を目指す。

 ソニーは、2007年に世界初の11型有機ELテレビを発売した。さらに、2011年には25型の業務用モニターを発売するなど、蒸着技術を用いた有機ELディスプレイの量産、商品展開に取り組んできた。また、蒸着と印刷を組み合わせたハイブリッド有機EL素子のデバイス、プロセス(製造)技術や、有機EL駆動TFTについても酸化物TFTやフレキシブル有機TFTの開発成果を学会発表するなど、次世代有機EL技術の研究開発にも積極的に取り組んでいる。

 パナソニックは、大型化・低コスト化に優位な印刷技術の中でも、最先端のオール印刷方式による大画面・高精細有機ELパネルの技術開発で先行しており、同方式による生産を実現するための独自の設備技術・生産技術を有している。また、将来期待されている大画面・高画質のシート型ディスプレイを目指し、フレキシブル有機ELディスプレイの研究開発にも取り組んでおり、有機ELパネルの将来の可能性を追求している。

 今後両社は、有機ELパネルおよびモジュールの次世代技術の共同開発と並行して、量産フェーズでの協業の可能性についても検討していく。そして、それぞれの強みを活かして、高性能かつ競争力のある次世代の有機ELテレビおよび大型ディスプレイの開発・商品化に取り組んでいく方針。

関連記事