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京写:代表取締役社長児嶋一登氏、前期を振り返る
■前期12年3月期決算説明会を開催
プリント基板メーカーの京写 <6837> (JQS)は22日、前期12年3月期決算説明会を開催した。
代表取締役社長児嶋一登氏は、前期を振り返って次のように語った。
「前期を振り返りますと、まず震災の混乱から始まりまして、円高、タイの洪水、ヨーロッパの金融不安と我々企業を取り巻く環境は非常に激しく動き、また、厳しい状況でありました。当社も、上期は、特に国内においては、車関係、海外においてはOA関係機器のサプライチェーンの寸断によって、我々自身は震災による影響はございませんでしたが、やはりお客さんのところに部品が集まらないとう状況になりました。また、生産調整がありましたので、上期は苦戦した状態で推移しました。唯、下期に入ってから、国内においては特にLED関連が大幅に急増したことで、当初予想を上回りました。また、タイの洪水は、当社にとりましては、丁度その時期にタイの営業所を設立し、拡販作業を行っていましたので、逆にプラスに働いて、インドネシア、中国、日本の新規顧客を獲得することが出来ました。そういう意味では、上期の落ち込みをそれなりにカバーしました。そのため、下期は、過去最高に近い売上を計上することが出来ました。これまで、私達のメインのお客様は、どちらかというと、TV関係の方が中心でございましたが、やはり、TV関係については海外企業が優位でありますので、ここ数年間、車載関係の拡販、家電製品の拡販に力を入れてきました結果、それほど大きな影響を受けずに済みました」と語った。
前期12年3月期連結業績は、売上高161億56百万円(前年同期比1.3%減)、営業利益7億16百万円(同26.0%減)、経常利益7億96百万円(同19.1%減)、純利益6億14百万円(同15.0%増)となった。
■国内の片面プリント配線板は、LED照明の需要が好調
最終利益が2ケタ増益になったのは、特別損失や法人税等調整額が減少したことの影響による。
売上高に関しては、国内の片面プリント配線板は、LED照明の需要が好調であったことや、自動車関連の需要が回復したことで、前年を上回った。また、両面プリント配線板は、自動車関連分野やアミューズメント関連分野で回復が続いたが、期初のサプライチェーン寸断と映像関連分野や電子部品等の需要低迷をカバーするには至らず減収となった。
海外では、片面・両面プリント配線基板は、共に事務機分野及びエアコン等の家電製品分野や自動車関連分野が好調に受注を伸ばし、現地通貨ベースでは前年同期を上回ったが、円高の影響で減収となった。
経常利益については、前年同期の9億84百万円から、減収の影響で39百万円の減益、原価の上昇により1億6百万円の減益、販管費増で1億7百万円の減益となったことで、営業外で64百万円の増益となったものの対前年同期比1億87百万円の減益となった。
製品別売上高は、片面板86億15百万円(同0.9%減)、両面板52億16百万円(同2.0%減)、その他23億24百万円(同1.0%減)であった。
地域別の売上高は、日本70億55百万円(同3.0%増)、中国62億1百万円(同2.4%減)、東南アジア24億95百万円(同4.1%減)、北米2億77百万円(同27.1%減)、欧州その他1億25百万円(同29.9%減)。
製品用途別売上高は、家電製品(エアコン、照明機器、洗濯機等)40億2百万円(同28.5%増)、自動車関連(自動車電装品、カーオーディオ)29億70百万円(同9.9%増)、映像関連(薄型テレビ、TVチューナー)23億3百万円(同39.5%減)、事務機(複写機、プリンター)22億5百万円(同17.5%増)、アミューズメント(家庭用ゲーム機、パチンコ、パチスロ)12億65百万円(同6.5%減)、その他(電子部品、音響機器)34億9百万円(同3.1%減)。
■今期も、5つの重点戦略を着実に実行していくことで、当初予想業績を達成する計画
前期は減収となったが、今期13年3月期連結業績予想は、売上高167億円(前期比3.4%増)、営業利益8億50百万円(同18.7%増)、経常利益8億50百万円(同6.8%増)、純利益6億20百万円(同1.0%増)と増収増益を見込む。
同社の中期経営計画では、環境対応戦略、ボリュームゾーン戦略、グローバル戦略、収益力強化戦略、新規事業戦略と5つの重点戦略を掲げている。
今期も、5つの重点戦略を着実に実行していくことで、当初予想業績を達成する計画。
環境対応戦略としては、LED関連市場の急速な増加、省エネ家電の普及、電気自動車の増加という市場の流れに沿って、片面基板、両面基板ともに研究開発を行っている。前期にLEDの販売が好調に推移したのも、先駆けて基板の開発を進めていたことの成果による。前期の照明機器売上は66.8%増と大幅に伸びている。また、省エネ商品としてLEDの需要が伸びたことから、LEDの売上高は約8億円と大幅増となった。
現在も、放熱性の高いインクの開発、ソリ対策、ファイン化等の研究が引き続き進んでいる。半導体の機能が良くなっていることから、受け皿である基板の高性能化も要求されることからファイン化の技術開発を進めている。
今期は、電気自動車向けの大電流に対応した銅箔基板対応のための設備を京都工場に導入した。LED照明向けに関しては、中国でも生産できる体制を構築する。
■片面プリント基板のシェアは、世界で10%、国内で30%と世界でトップ
ボリュームゾーン戦略では、先進国から新興国へと市場のボリュームゾーンが移っていることから、新興国向けの多くの製品に採用される片面プリント基板のシェアを拡大することを図っている。現在同社の片面プリント基板のシェアは、世界で10%、国内で30%と世界でトップのシェアを持っている。日系企業だけでなく、グローバルユーザーへの販売も始まり、外資系への売上は、5.2%から7.0%と拡大している。シェアを拡大することで、原料価格が上昇しても、対応できる体制を作る。更に、新興国への売上を伸ばすため、11年5月には京写タイの営業をスタートし、順調に顧客の開拓が進んでいる。また、インド企業との取引も開始している。その様な状況で、今期は海外での新しい生産拠点の設立を計画している。
■両面の設備投資を行いインドネシアでの生産を開始する予定
グローバル戦略に関しては、現在、海外展開しているのは片面プリント基板だけである。今後、両面基板、実装関連の事業も現在の海外拠点を基に海外に展開していく計画である。そのため、前期は海外展開するための組織作りを行い、顧客開拓も進めた。今後は、インドネシアに進出している自動車メーカー向けに販売を開始していくため、片面だけでは需要に対応できないので、両面の設備投資を行い現地での生産を開始する予定。
収益力強化戦略は、現在人件費、原材料価格が上昇している。同社ではこのコスト増を吸収することで他社との差別化が可能と考えている。日本では設備投資しているので、省人化が完了している。しかし、中国では人手を使った生産体制となっているが、自動投入機、自動受け取り機を導入することで省人化を進めていく。プリント基板には絶対必要な金型についても、これまではアウトソーシングで対応していたが、前期より金型の内製化を開始し、また、実装治具の量産を開始している。また、仕入れに関しては、香港国際調達拠点(IPO)での片面板主材料を集中購買することで、仕入れ価格の低減化を図っている。
今期は、インドネシア工場の片面生産ラインの合理化を行い、現行の5ラインを3ラインにするが、生産能力は現状を維持する計画。また、中国で内製化した金型のグローバル販売を開始する。
新規事業に関しては、印刷技術を応用した製品を調査中である。今期は有機EL等への印刷技術の応用研究を行う。
以上の戦略を着実に進めることで、2015年3月期の中期経営目標である売上高250億円、営業利益率8.0%、ROE(自己資本利益率)15%以上、ROA(総資産利益率)8.0%以上の達成を目指す。
前期は外部要因により振り回される結果となったが、業界の中では安定した業績を達成したといえる。要因としては、時代の流れを読んだ事業戦略が的確であることが挙げられる。今後もグローバルでの売上を伸ばし、事業の拡大が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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