三井住友カードが多通貨決済サービスを開始、外貨建てのカード決済が可能に

2012年4月12日 22:57

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 三井住友カードは11日、NTTデータと連携し、国内のインターネット通信販売加盟店において、海外のカードホルダーが外貨建てでカード決済を行えるようにする多通貨決済サービスを開始したと発表した。第一弾として、4月6日に、日本初の本格的格安航空会社(LCC)であるPeach Aviation(ピーチ・アビエーション)に導入した。なお、日本のカード会社による航空会社への多通貨決済サービスの提供は初めての取り組みとなる。

 これまでは、日本企業がインターネットを通じて商品を販売する場合、海外の顧客に対しても原則円建てでしかクレジットカード決済を行うことができなかった。そのため海外の顧客は、購入時点で正確な支払額を知ることが出来ず、購入を見合わせる要因の一つとなっていた。

 今回開始する多通貨決済サービスでは、日本企業が外貨建てでクレジットカード決済を行うことが可能となるため、海外の顧客は購入時点で自国通貨での支払額を確認した上で安心して買い物ができる。このため、海外に商圏拡大を図る企業にとっても、同サービスの導入により、新たな顧客獲得が期待できるという。

 また、同サービスを利用して決済を行ったクレジットカード売上代金は、三井住友カードが外貨を円に転換した上で加盟店に支払うため、加盟店は外貨取り扱いに関する業務負担を大幅に軽減することができる。

 最近では、特に中国等を始めとしたとしたアジア諸国を中心に、インターネット環境の拡大とともにEC市場が大幅な成長を続けていることを受けて、海外に販路を拡大する日本企業が増加している。また、経済産業省が海外向けインターネット通販事業の支援に乗り出すなど、海外市場の取り込みに向けた動きが官民双方で活発化している。今回のサービスでは、米ドルやユーロ、人民元や韓国ウォン、台湾ドル等の主要通貨を始めとした多様な通貨をサポートしており、海外向けにインターネット通信販売を行う企業にとって、高い売上効果が期待できるという。

 なお、今回多通貨決済サービスを最初に導入するPeachでは、2012年5月8日に初の国際線となる関空-ソウル(仁川)線を開設するが、同路線の航空券販売を開始するにあたり、4月6日に韓国の顧客向けに韓国ウォン建てのクレジットカード決済を開始した。また、今後の就航路線の拡大に合わせて取り扱い通貨も順次拡大していく予定だという。

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