材料は時間と共に変化する=犬丸正寛の相場格言

2012年3月4日 13:52

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

日ごろから株価だけに関心を持つのでははなく、その材料が露出してからどれだけの時間が経過しているかという、「日柄」に注意を払うことが大切です。

日ごろから株価だけに関心を持つのでははなく、その材料が露出してからどれだけの時間が経過しているかという、「日柄」に注意を払うことが大切です。[写真拡大]

■材料は時間と共に変化する

 この世に存在する全てのものは形を変える宿命にあります。目に見える物体は酸化して形を失い消えて行きます。もっとも、後に続くもののためには消えなくてはいけないのかもしれません。一方、「言葉」や「考え方」といった目に見えないものは、変わらないようにも見えます。しかし、やはり時間の経過の中で意味合いが変わって行くのではないでしょうか。

 たとえば、父母というときは、以前なら大事にするべき、絶対的な存在でした。今は、親をも殺してしまうのは異常だとしても、今はそれほど大切な存在ではありません。もちろん、親側からみた子供観も昔と今とでは違います。

 相場にとって、「業績」などの材料は親子の関係のように密接で、とても重要です。しかし、仮に、株価が500円の時の好業績と1000円になった時とでは重みがずいぶんと違ってきます。ところが、株式投資で間違いやすいことは、「好材料」を永遠的なものとして絶対視しやすいことです。「これだけの優秀な材料だから株価は上がり続けるもの」と思い込んでしまうのです。しかし、現実は厳しいものです。

 時間の経過とともに、材料は陳腐化しているのです。人は目に見える有機体なら腐敗の進んでいることはよく分かります。しかし、言葉のような無機質のものは陳腐化の進んでいることが分かり難いことです。相場は目に見えないため、材料としての価値の薄らいでいることを見落としてしまいがちです。とくに、株の初心者ほど注意が大切です。このため、日ごろから株価だけに関心を持つのでははなく、その材料が露出してからどれだけの時間が経過しているかという、「日柄」に注意を払うことが大切です。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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