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スマートフォンなどの長バッテリ駆動時間を実現
普及の拡大が止まらないスマートフォンやタブレット端末。アプリケーションの多様化に伴う用途の広がりや、直感に近い操作性が、幅広いユーザーの獲得に繋がっていることは想像に難くないであろう。一方で、アプリケーションやサービスが広がるにつれて、利用時間の長時間化が進んでいる。また、新しいスマートフォンで対応となった新高速移動通信システムの登場により、さらに電力消費量が増加することも見込まれている。その為、長バッテリ駆動時間を実現に向けて様々な角度から各社がアプローチをしているという。
もっとも多くなされているアプローチは、各種部品を改良し小型化・低消費電力化を図ることではないだろうか。先日発表された、ソニーが東京工業大学との共同開発で実現した低消費電力・広帯域ミリ派無線用LSIもその好例といえる。データ転送の高速化に伴って発生する信号の品質劣化。それを防ぐための施策により消費していた電力が、新しく開発された技術では大幅に低減できる。
また、データ通信の利便性やアプリケーションの多様化、直感に近い操作性を実現している様々なセンサと呼ばれる部品。スマートフォンやタブレット端末には、一定時間の間に速度がどれだけ変化したかを計測する加速度センサや、タッチパネル操作を実現している圧力センサなど、数多くのセンサが組み込まれている。さらに、新しいアプリケーションやサービスの提供に向けたセンサ群の増設が進んでおり、その多様性は益々広がっている。しかし一方で、これらのセンサは常時駆動が望ましく、結果、多くの電力を消費することに繋がっていたという。
この状況を改善する為に開発されたのが、2月23日にその量産化が発表されたラピスセミコンダクタの超小型マイコン「ML610Q792」。常時駆動したいセンサ群を、ホストプロセッサから切り離してローパワーマイコンで制御する製品である。ホストプロセッサから切り離すことで、その負担を軽減。低消費電力化とそれに伴う長バッテリ駆動時間を実現している。デバイス・メーカーの中ではトップクラスの豊富なセンサラインアップを誇るロームグループだからこそ開発されたこの技術は、部品ごとに低消費電力化を図っていた傾向に対し、新たなパーツを組み込むことで低消費電力化を実現する新たなアプローチと言えるのではないだろうか。
また他にも、日立マクセルによるモバイル充電バッテリの発売など、低消費電力化からのアプローチではない商品・技術の開発も進んでいる。スマートフォンやタブレット端末が身近になればなるほど、今以上に長バッテリ駆動時間への需要は高まるであろう。その普及が広く行き渡った時、バッテリ残量を一切気にせずにこれらの端末を利用できるようになっているだろうか。これからも各メーカーの技術力に期待したい。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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