三菱商事、カナダ天然ガス開発プロジェクトに参画 エンカナ社から権益40%を取得

2012年2月20日 22:00

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プロジェクト鉱区地図(画像:三菱商事)

プロジェクト鉱区地図(画像:三菱商事)[写真拡大]

 三菱商事は20日、ブリティッシュ・コロンビア州のモントニー地域で天然ガス開発を推進するカットバンク・リッジ・パートナーシップ(Cutbank Ridge Partnership、以下:CRP)の40%権益を取得することにつき、カナダ最大手の天然ガス事業者エンカナ社(Encana Corporation、本社:カルガリー)と合意し、2月末までに権益を取得する予定だと発表した。

 CRPは、エンカナ社が組成したシェールガスを中心とする天然ガス開発のプロジェクト事業体であり、40.9万エーカーにも及ぶ未開発・高品質のモントニー地域の大規模優良資産を保有している。

 三菱商事は今回の参画にあたり、新たに設立した子会社カットバンク・ドーソン・ガス・リソーシズ社(Cutbank Dawson Gas Resources Ltd.、本社:カルガリー)を通じてCRPの40%権益を間接保有する。三菱商事はエンカナ社との合意に基づき、14.5億カナダドル(約1,160億円)を権益譲渡完了と同時にエンカナ社に支払う。また、エンカナ社が権益比率に応じて負担する開発費用の半分を肩代わりするものとして、合意された開発計画に応じて今後5年間で合計14.5億ドル(約1,160億円)を三菱商事が追加で拠出していく。

 同プロジェクトのオペレーターを務めるエンカナ社は、天然ガス開発において高度な生産技術と豊富な実績を有している他、CRPの保有資産は西カナダ堆積盆地において最大かつ最高品質の未開発天然ガス資産の一つとされている。エンカナ社はモントニー地域において既に290本以上の抗井掘削を実施し、高い生産性を確認しているため、三菱商事は、CRPの保有資産は同地域における最高の開発機会であると考えているという。

 CRPが保有する天然ガス資産の合計可採埋蔵量は、35兆立方フィート(約7.2億トン)以上と推定され、日本の天然ガス年間需要の約9年分に相当する膨大な量が見込まれており、今後5年間でCRPとして総事業費約60億カナダドル(約4,800億円)以上を投じ、累計約600本以上の生産井を掘削して開発を進める。生産期間は50年以上であり、CRPとして今後10年の間に日量約30億立方フィート(約2,250万トン/年)の生産を目指す。

 現在、三菱商事は同州コルドバ堆積盆地にて、ペン・ウェスト・エクスプローレーション社、中部電力、東京ガス、大阪ガス、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、韓国ガス公社と共同で天然ガスの開発を進めている。また三菱商事は、現在、カナダで生産した天然ガスを原料に、液化天然ガス(LNG)として輸出する可能性についても検討を進めているが、今回の資産の取得に伴いその検討を加速させ、将来的にはカナダの経済発展及び雇用創出に寄与し、日本をはじめとする東アジアのエネルギー安定確保を実現することを目指している。

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