資生堂、2月よりチェニジアで販売開始

2012年1月31日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 アジア市場への進出、そして新興国の開発がここ数年、特に活況な化粧品業界は、国内事業の活性化とともに、グローバル化の加速に注力している。

 なかでも資生堂は、1981年より事業を開始し2011年で30周年を迎えた、最重要市場である中国に続く、次の成長エンジンづくりとして、今後の成長が期待される新興国への対応を強化している。2012年1月から、トルコ共和国にて合弁会社「資生堂トルコ」による営業を開始し、注目されるインドでは現地ニーズの把握と市場調査を目的とした「資生堂インド駐在員事務所」を開設。さらに、2012年5月からは、アメリカ、日本に続き世界3位の化粧品市場であるブラジルでの展開強化にむけ、100%子会社の「資生堂ブラジル」を通じて、北米の子会社ブランド「ベアミネラル」を投入する予定となっている。

 また、2012年2月より、チュニジア共和国(以下、チュニジア)で世界共通のグローバルブランド「SHISEIDO」のスキンケア、メーキャップなどを、最大手の流通・小売のコングロマリット「UTIC(ユーティーアイシー)グループ」傘下の「ユリッセ・ネゴス社」と代理店契約を結び、高級化粧品専門店にて販売。チュニジアにおける日本の化粧品ブランドとしては初の市場参入となる。また、アフリカ市場での展開は、2009年のモロッコ王国、2010年の南アフリカ共和国に続く3カ国目となり、今回の同国への参入にて、資生堂化粧品の販売は世界88の国と地域(日本含む)となった。

 今回販売を開始するチュニジアは、これまで着実な経済発展を遂げ、ここ数年は年率5%の経済成長を継続している。化粧品市場についても、地元資本の高級化粧品専門店の販売網が整備されつつあり、欧米の大手化粧品ブランドが購入できるようになった。このような背景のもと、2010年度の化粧品市場規模は、前年対比でプラス10%弱の9,600万ディナール(約50億円)と拡大していることから、市場参入の環境が整ったと判断し、「SHISEIDO」ブランドのプレゼンスの確立に取り組むという。

 海外進出が目覚ましい化粧品業界に置いて資生堂は今後も、独自の市場調査力と製品開発力で、それぞれの国・地域の社会状況や経済状況、通貨なども考慮し、特性に合わせた展開を実施。日本における同業界の牽引企業として、海外市場のさらなる伸長を目指す。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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