NTTコムやNEC、日本と東南アジアを結ぶアジア最大級の光海底ケーブルを建設 

2011年12月20日 22:35

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「APG」海底ケーブルプロジェクト敷設ルート(画像:NEC)

「APG」海底ケーブルプロジェクト敷設ルート(画像:NEC)[写真拡大]

 NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は20日、最近の国際間トラフィックの急増に対処と国際ネットワークの信頼性強化に対応するため、KT(韓国)、中華電信(台湾)を含む各国主要キャリアと共同で、アジア域内を結ぶ新しい大容量光海底ケーブル「Asia Pacific Gateway」(略称:APG)を建設することに合意し、本日建設保守協定に調印したと発表した。

 東南アジアを含むアジア域内では、各国の市場拡大に伴い、クラウドサービスの拡大や、インターネットや企業向けネットワークサービスなどの、広帯域な国際通信に対する需要が増大している。また、ケーブル故障が発生した際、顧客の重要な通信に与える影響を最小限に食い止めるため、複数のルートを有する信頼性が確保されたサービス提供が求められている。

 APGは、大容量を効率的に伝送できる最新の40Gbps伝送技術を導入し、さらに、将来の100Gbps伝送技術の適用を見据えた設計としている。また、ケーブル故障の原因となる地震や台風などの発生地域を回避できるルートを考慮し、より信頼性の高い光海底ケーブルを建設する。

 APGの総延長は10,400kmとなる予定で、日本(千葉県新丸山並びに三重県志摩)、シンガポール、中国、香港、韓国、マレーシア、台湾、タイ、およびベトナムを接続する。同システムの建設によって、北東アジアと南東アジア間の通信需要を満たせる予定。

 NTT Comは、建設中の低遅延、高信頼の光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」に加え、APGの共同建設に参加することにより、アジア域内の保有ケーブル容量をさらに強化するとともに、複数のケーブルルートを提供することで冗長性を確保し、より信頼性の高い国際ネットワーク、クラウドサービスを顧客に提供していく。

 また、NECは本日、APGの建設請負契約に調印したと発表。NECは、過去30年以上にわたり海洋システム事業を手掛けており、世界の海底ケーブルベンダーのトップスリーの1社。とりわけ日本を含むアジア・太平洋地域で強みを有している。

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