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ANAHDが空中戦で物流事業強化へ 株価も高値圏で飛行中

(画像: ANAホールディングスの発表資料より)[写真拡大]
●ANAホールディングスが物流事業強化へ
航空大手ANAホールディングス(9202 東証プライム)が、空中戦で物流事業の強化を目指す。
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同社はすでに日本貨物航空を子会社化したほか、最近ではドローンを使った物流事業の全国展開も計画しているとマスコミで報道されている。
ANAホールディングス(HD)はどのような戦略を描いているのだろうか。
●日本貨物航空を子会社化
ANAHDは物流事業の強化へ向けて、2025年8月に日本貨物航空(NCA)を子会社化している。
NCAは日本と欧米を結ぶ大型貨物専用機によるネットワークとノウハウを築いており、同社をグループ化することによって、さらなる収益への貢献が期待できるだろう。
実際に2026年3月期中間決算では、NCAの貨物収入が350億円計上されている。
●ドローンによる物流事業を全国で展開へ
9日に読売新聞が報道したところによると、ANAはドローンを使った物流事業を全国で展開する計画を持っている。
2028年度までに半径500キロメートル程度のエリアをカバーするドローンの離着陸拠点を、各地に作る予定だ。平時は離島などへの医薬品や生活物資の空輸、災害時は孤立した地域への食料品の輸送などを事業の目的としている。
ドローンによる物流事業では中国が先行しているが、ANAHDも2018年からドローン配送サービスの検討を開始し、これまで14回(2023年10月13日プレスリリース時点)無人地帯での目視外補助者なし飛行(レベル3)の実証実験を重ねている。
さらに2023年11月6日からはレベル4に当たる有人地帯での実証実験も沖縄県久米島町で開始しているため、事業化への下地は整いつつあるとみてよさそうだ。
●他の物流企業への影響は?
ANAHDによるドローン配送事業の全国展開で、ヤマト運輸など他の物流企業の業績にはどの程度影響を与えるのだろうか。
現時点でANAHDが事業の対象にしているのは離島への空輸や災害時の配送など、どちらかといえばニッチな需要を取り込むのが狙いと考えられる。
本格的な宅配便事業とは異なるので、いまのところ物流大手の業績への影響は軽微と思われる。
●ANAHDの株価と業績見通し
最後にANAHDの株価の動きと業績見通しを確認しておこう。
現在株価は3,048円(2026年1月13日終値)で、取引時間中に昨年来高値を更新(3,106円)している。
配当利回りは1.97%(2026年1月13日終値換算)とやや低めだが、同社への投資価値は株主優待の利用次第で高くなる。優待内容は100株の保有で国内線の運賃が50%割引(利用回数は保有株数によって異なる)となるため、国内線を利用する人にはメリットが大きい。
ほかにも株主限定ツアーなど各種優待を受けられるので、優待株としても人気が高い銘柄だ。
2026年3月期の業績見通しは、売上高2兆4,800億円(前期比+9.6%)、営業利益2,000億円(+1.7%)、経常利益1,940億円(-3.0%)、当期純利益1,450億円(-5.2%)と、増収減益を見込んでいる。減益の要因は人件費や燃料費の増加によるものである。
インバウンド需要やスポーツイベント(ミラノ冬季五輪、ワールドベースボールクラシック、FIFAワールドカップ)での特需などにより、旅客収入は2027年3月期も堅調な伸びが期待できる。
株価は高値圏だが、PER(株価収益率)は9.86倍(2026年1月13日終値換算)と低いため、まだ買われる余地はありそうだ。(記事:丸山優太郎・記事一覧を見る)
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