食友:マルちゃんの東洋水産が、メキシコ市場でシェア85%の理由

2026年1月9日 14:14

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 東洋水産(2875、東証プライム)。世辞抜きに「マルちゃん」ブランドの即席麺には日頃、世話になっている。手元の会社四季報は「即席麺で国内2位。米国・メキシコでは首位。チルド製品も展開」とし、業績欄の見出しは【最高益更新】。

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 過去5期間の収益動向は、2021年3月期「0.4%増収、28.6%営業増益、10円増配90円配」-「6.1%増収、18.4%減益、90円配」-「20.6%増収、35.6%増益、100円配」-「12.2%増収、65.4%増益、170円配」-「3.8%増収、13.2%増益、200円配」。

 今26年3月期は「6.4%増収(5450億円)、0.7%減益(760億円)、200円配」計画でスタートしたが、第2四半期開示と同時に「5350億円、800億円」に修正。海外即席麺市場で原材料費などコスト低減が、その背景。

 対して22年3月期の18.4%減益は「海外の原料価格・運賃価格上昇」。海外事業比率が5割近いことが利益率を揺さぶることを示している。が市場筋は「海外を含め即席麺の成長性は高い」として27年3月期の営業利益を「830億円(過去最高益)」と予想している。

 ちなみに至28年3月期の中計は「売上高6000億円、営業利益820億円」を掲げている。記した市場筋の見方が実現すれば「中計利益、上振れ」も予想される。

 海外市場の現状は、米国市場では東洋水産/日清食品/農心(韓国)が熾烈な首位争いを繰り広げている。一方、メキシコ市場では東洋水産が約85%のシェアを占めている。

 1972年に米国に現地法人を設立し海外進出。1980年代半ばに、米国法人産の即席麺をメキシコにも輸出開始。これは経営判断だろうが・・・1994年にメキシコ・ペソが大暴落。ライバル企業は撤退を判断した。が、東洋水産が選んだのは真逆。それが今日の85%シェア&マルちゃん=即席麺の状況を作り出している。

 会社四季報の材料欄は【米国】の見出しで、「新商品や広告を積極投入し、数量苦戦の突破口を模索。25年に予定していたカリフォルニア増設工場の稼働は、人手・資材不足で26年3月までをメドに延期」としている。米国市場での激戦ぶりが改めて記されている。

 本稿作成中の株価は1万700円台水準。昨年高値:1万1330円(12月15日)から押し目場面を作っている。過去10年の修正済み株価パフォーマンス2.5倍強。IFIS目標平均株価は算出者9人中6人が「強気」/2人「中立」/1人「弱気」の1万2167円。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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