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オフィス家具売上高で世界5指:オカムラは中計でも着実な歩みを誇示

オカムラが発表した「YAA(ヤア)」のイメージ(画像: オカムラの発表資料より)[写真拡大]
知り合いの女性記者からオカムラ(7994、東証プライム市場)が、「12月にオフィス用のシステム家具:YAA(ヤア)を発売する」と聞いた。「人が自然に集まりやすい空間を生み出す」代物だという。
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オカムラは開発力(競争力)が強み。それがオフィス家具の売上高で世界の5指に入る原動力になっている。「相変わらず頑張っているんだな」と思い、久方ぶりに覗いて見ようと考えた。
まず、IRニュースをチェックした。11月7日付けの『業績予想の修正』と題するリリースが目にとまった。今2026年3月期計画の下方修正である。市場環境の読みに関しては「的確」という認識があったから、「珍しいな」が第一印象。読んだ。期初予想の営業利益「270億円」を「240億円」に引き下げるという。
何故、をこう説明していた。「売上は想定通りも、商環境事業の営業利益が予想を下回るのが主因」。
商環境事業はオフィス家具と並ぶ2本柱。小売業の陳列什器や冷凍冷蔵庫の提供から店舗デザイン・省エネ省人化ソリューションなど、幅広く手掛けている。記された「減益要因」を読み、いまどきの経済・企業収益のネックを痛感した。「想定以上の人件費増⇔価格転嫁の厳しさ」である。
が、オカムラの収益動向は「着実」そのもの。2020年3月期の「2.1%増収、7.8%営業増益、32円配」以降は、こんな具合。「3.4%減収、5.9%増益」-「6.8%増収、12.7%増益」-「6.1%増収、8.8%増益」-「7.7%増収、38.4%増益」-前3月期「5.4%増収、0.4%減益」。期中のマイナス要因発現も期初予想を守り通している。またこの間の配当は「32円配」から「94円配」に上積みされている。
今26年3月期の期初計画は「4.9%増収(3300億円)、12.8%増益(270億円)、10円増配104円配」。後で記すが目下、株価は下方修正を映していない。まずは、期初の中間期予想「売上高1520億円、営業利益85億円」をどこまでカバーするかだろう。
ちなみに至26年3月期の中計は前期に上方修正し「売上高3300億円(23年3月期比19.1%増)、営業利益270億円(55.1%増)」。本稿作成時点では修正はなされていない。
目下の株価は2200円台。予想税引き後配当利回り3.7%余り。4月の年初来安値:1665円から8月7日の2492円まで買い直されて、押し目揉み合い状況。IFIS目標平均株価は2825円。過去10年間の修正済み株価パフォーマンスは83%余り。中長期構えの資産形成株と捉えられる・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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