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「まちづくり」と取り組むジンズHD田中社長が説く、「まちづくり」の構え
ジンズホールディングス(3046、東証プライム市場、以下ジンズHD)。均一料金の眼鏡チェーン「ジンズ」を展開。2006年8月の上場以降、快調な収益動向を見せていた。
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変化が顕在化したのは2021年8月期/22年8月期(10.1%営業減益/34.3%営業減益)。確かにリーマンショックやコロナ禍の影響を受けた。が内実は、「ライバル企業との闘いに一敗地に塗れた」と捉えるべき。株価は大幅な下落となった。
そんなジンズHDが着実に、回復基調の階段を昇っている。契機を創業者社長の田中仁氏はこう語っている。「ある有力な先輩経営者から受けた言葉が、私に猛省を促してくれた」。その言葉とは「志なき経営は、絶対にうまくいかない」であり、「商売は、王道を歩まなければならない」であったという。
アナリストの間には、「田中氏は悩み、ファーストリテイリング(9983、東証プライム市場)の柳井正CEOに面会を求めた。その折に問いかけられた言葉だった」とする声が強い(未確認)。
但し、時系列的に捉えると田中氏が壁にぶち当たった21年/22年を境に回復の歩みが始まっているのは事実。23年8月期は「9.5%増収、46.2%営業増益」となり、翌期も「13.3%増収、61.7%増益」と大きく切り返した。
そして今25年8月期も期中に期初計画を上方修正、「11.5%の増収(925億3200万円)、37.9%増益(108億500万円)」予想。22年8月期には28円安(17円)に後退した配当も、今期は33円増94円配に増加している。
本稿作成中の株価は8000円トビ台。過去9年半前の株価に対して2倍強水準にまで、修正値済み株価パフォーマンスは上昇している。また7人の選出者によるIFIS目標平均株価は「5人:強気/1人:やや強気/1人:中立」の9746円。「中長期構えで対応したい株」と言いたい状態となっている・・・。
田中氏は私と同じ、群馬県前橋市出身(現在もジンズHDは前橋・東京の2本社体制)。同郷人。だから・・・というわけではない。が「前橋の地方再生」に示す田中氏の姿勢には、ジンズHD再成長に示す構えと共通項が存在している。こう語っている。
「いま、前橋のまちづくりと本気で取り組んでいる。まちづくりは、企業家が取り組むべき課題だと考えている。まちづくりに関わることで、私の経営観はさらに変わった。何故なら目先の成果ではなく100年先を見据えた取り組みが必要だからだ」。同感である。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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