福島駅東口の再開発、民間エリアはコスト削減で10階建てに 開業目標は2029年度

2025年7月30日 09:02

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福島駅東口再開発の完成イメージ(福島市発表資料より)

福島駅東口再開発の完成イメージ(福島市発表資料より)[写真拡大]

  • まちなかリビングのイメージ。
  • 屋上広場のイメージ。

 福島県福島市と福島駅東口地区市街地再開発組合は、JR福島駅前で計画している複合施設(福島市栄町、早稲町)整備の基本設計を固め、福島市ホームページ上で概要を公開した。官民双方の施設が入る複合棟と住宅棟、駐車場棟で構成され、中心市街地へのにぎわい波及を念頭に置いている。2026年に着工し、開業目標を2029年度としている。

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 複合棟は商業施設や医療機関、オフィスが入る民間エリアが10階建て延べ約1万6,900平方メートル、最大1,500人収容の新たなコンベンションホールや会議室が入居する公共エリアが一部4階建て延べ約1万4,500平方メートル。民間エリアは将来のコスト増を考慮し、2月に示した計画からオフィスを1階分減らした10階建てに修正した。

 公共エリアには市民が出会い、くつろぐ場所として「まちなかリビング」と名づけた場所を各階に設ける。屋上には広場を置き、市民の憩いの場所、イベント会場として使用する。民間エリアにはカルチュア・コンビニエンス・クラブが福島県内初となるシェアラウンジを開設する。駅前通り沿いに大屋根広場を設け、街と一体で地域活性化を図る。

 住宅棟は13階建て延べ約9,700平方メートルで、100戸程度の入居を見込んでいる。駐車場棟は6階建て延べ約1万7,500平方メートル。約500台を収容するほか、一部店舗も入る。

 再開発事業は、資材価格や人件費の高騰から開業目標が2026年度から2029年度に先送りされたほか、建設費も当初の492億円が推定580~620億円に膨れ上がった。民間エリアにはホテルの誘致も検討していたが、賃料などで折り合いがつかずに断念している。市と再開発組合は概算事業費を年内に算定、公表する方針。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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