エヌビディアの好決算で上昇相場へ突入か!?

2025年6月6日 09:37

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●エヌビディアが好決算

 米半導体大手のエヌビディアが5月28日に発表した2~4月期の決算は、売上高が前年同期比69.2%増の440億6200万ドル(約6.3兆円)で、市場予想平均の430億ドルを上回った。

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 株価は、6月3日に2.8%高の141.22ドルで取引を終え、時価総額がマイクロソフトを抜き、再び1位となった。

 4月には100ドルを割り94ドルまで下落していたが、決算が好感されて再び上昇となった。

 決算発表後はブロードコムやアームなどの半導体銘柄や、ラムリサーチなどの半導体製造装置銘柄も上昇している。

 トランプ関税や中国の景気減速など不安材料がある株式市場だが、エヌビディアの好決算で巻き返し、上昇相場へ突入するのだろうか?

●懸念されていたトランプ関税の影響

 今回の決算は、米国政府が、中国向けAI(人工知能)半導体「H20」を輸出規制の対象に加えたことへの影響が懸念されていた。

 エヌビディアはこの件で45億ドル(約6400億円)の評価損を計上した。

 輸出規制はバイデン政権から強化されてきたが、その中で開発されたH20が、中国に輸出可能な最も優れたAI半導体だと言われている。

 トランプ政権は中国に対し、さらに厳しい規制を見せており、今後もエヌビディアへの影響も避けられない。

●市場は不安定でも半導体需要は強い?

 トランプ氏と習近平氏の電話会談では、半導体が話題に上がった可能性もある。米中が互いにかけあった関税は、90日間の停止で合意しているが、予断を許さない状況が続く。

 そんな中でも、エヌビディアのファンCEOは、Blackwell NVL72 AIスーパーコンピューターが本格的な量産体制に入っており、AIインフラに対する世界的な需要が非常に強いとコメントしている。

 市場別の売上高も、データセンター向けが引き続き高い伸び率となっており、ゲーム向けも好調だった。推奨エンジンや生成AIアプリなどの需要がまだまだ強い。

 半導体需要が強く、相場の期待も強いが、DeepSeekのように中国で何かエヌビディアを脅かすようなニュースがあると、半導体株全体に影響を及ぼす可能性もある。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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