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特異なCRE関連事業で成長を示す:ククレブ・アドバイザーズの読み方
ククレブ・アドバイザーズ(276A、東証グロース市場)。昨年11月に上場した期待を満身に背負った不動産関連企業。
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2019年7月に設立。20年8月期の「売上高1億1200万円、純益3000万円」が上場直前の23年8月期には、「7億400万円、2億3300万円」へ。11月28日の初値は公開公募価格950円に対して1250円。32%近い上値で生まれ、期待の高さをうかがわせた。
裏付けるように、上場直後に決算発表を迎えた24年8月期は「80.5%増収、23.8%営業増益」。そして今8月期は立ち上がり早々に計画を「73.3%の増収(22億円)、54.5%の営業増益(6億5000万円)」に上方修正した。
ククレブの事業は「CRE(企業不動産)のソリューションビジネス」と「CRE戦略の効率的実行を可能にする不動産テック(ex、売買・賃貸・投資の新たな仕組みの創出)」。上場時の記者会見で宮寺之裕社長は、特長(強み)をこう語った。「大手不動産会社あまり扱わない、金額規模で20億円以下の案件を主な対象としている」。
開示済みの今期第1四半期もウオッチする証券筋は「11月28日時点で契約が完了または決済が完了している売り上げについては、主力のCREソリューションビジネスは通年の計画比約41%の進捗。利益も同様に順調な推移。これまで同様30%水準の利益率を目指す展開だ」としている。
好調な推移、その背景については第1四半期の決算資料にも見て取れる。
<不動産経済研究所の調査では、CRE戦略の必要性を2010年では対象企業の約52%だったのに対し、23年には約88%に達している。また東証が打ち出した「資本コストや株価を意識した経営」の流れが、とりわけPBR1倍割れ企業に「バランスシートの割合が高い不動産の有効活用」を促していく方向を示唆している>とした上で、こう言及している。
「資産規模20億円以下のコンパクトCREマーケットは、専門知識・ノウハウ不可欠で参入障壁が高い。当社では既に企業のニーズを可視化するシステム、あらゆる不動産ニーズを即時にマッチング(不動産仲介案件に対応)する事業用マッチングするシステムなどを開発しことに対応している」。
自信のほどを、強く示している。
ククレブの本稿作成中の株価は2900円台前半。昨年12月10日に972円まで売られたが、今年2月27日には3420円まで買い戻されている。時価の予想PERは23.63倍。信用取引の状況は「買い残」が対売り残比2187倍強。実力(ビジネスモデル)を反映した流れとも捉えられるが、IPO人気のくすぶりを依然残しているとも思える・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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