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人手不足倒産が急増、1~10月で前年の2倍超に 人件費高騰の影響大きく
東京商工リサーチが2023年1~10月における「人手不足」関連倒産の状況を発表。「人件費高騰」型の倒産が急増し、年間でも最多倒産件数を超えそうな状況となっていることが分かった。
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■10月までの累計で前年の2倍超に
7日、東京商工リサーチが2023年1~10月における「人手不足」関連倒産の状況を発表した。同期間における人手不足を原因とした倒産件数は128件。53件だった前年同期比の約2.4倍となっただけでなく、前年(22年1-12月)の62件の2倍超になっている。これは、調査開始以来「人手不足」関連倒産件数が最も多かった2019年の156件を超えそうなペースとなっている。
■「人件費高騰」の倒産が急増中
倒産の要因別では「求人難」と「人件費高騰」がともに48件で多く、次いで「従業員退職」が32件となっている。これまでに同期間で最も倒産件数が多かった19年(1-10月累計で132件)と比べた場合、「求人難」が19年の67件から19件減、「従業員退職」が37件から5件減となった一方、「人件費高騰」が27件から21件増となっている。
新型コロナが鎮静化したことにともなう企業活動の活発化により、人手不足を克服するため給与などを中心とした待遇改善が必要となっている。そこで賃上げ余力に乏しい企業を中心に厳しい状況に陥っているという。
倒産の形態では、消滅型の「破産」が121件となり、全体に締める割合は94.53%にまで至っている。その他の形態では、私的倒産の「取引停止処分」が4件、消滅型の「特別清算」が2件。再建型では「民事再生法」が1件に留まっている。
■2024年問題の運輸業で倒産が急増中
産業別で最も倒産件数が多かったのはサービス業他の42件で、前年同期の21件から2倍に増えた。次いで運輸業が33件(前年同期の5.5倍)、建設業の25件(同約2.27倍)、製造業が10件(同42.85%増)、小売業が7件(同133.33%増)、情報通信業が6件(同6倍)、卸売業が4件(同変わらず)、不動産業が1件(前年0件)だった。農・林・漁・鉱業と金融・保険業はどちらも「人手不足」関連の倒産は発生していない。
さらに細かな業種別で最も多かったのは一般貨物自動車運送業の26件(前年同期の5.2倍)だった。その他では飲食業が12件(同3倍)、生活関連サービス業・娯楽業が9件(同9倍)、訪問介護事業が6件(同6倍)で件数が多く、いずれも昨年から「人手不足」関連の倒産件数が急増している。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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