2時間かけてじっくりと歯の精密検査、みつおデンタルクリニックが開始

2023年11月8日 08:06

印刷

画像: みつおデンタルクリニックの発表資料より

画像: みつおデンタルクリニックの発表資料より[写真拡大]

 みつおデンタルクリニック(大阪府大阪市)は3日、「2時間精密検査コース」を開始すると発表した。CTやマイクロスコープを用いて歯周病や虫歯、かみ合わせなどの検査を詳しく行う。料金は5万5000円。

【こちらも】主食の重ね食べ頻度が歯周病の要因か

 顕微鏡とCTでより正確な検査を行う。同クリニックはこれまでも精密検査を手掛けてきたが、遠方で度々の来院が難しい患者向けに2時間のコースを新設した。

 歯科の保険制度は検査に対する報酬が少なく、歯科医は治療によって報酬を得ている。精密な検査がされにくい構造になっており、治療が優先されがちと言う。

 そのため抜くしかないと言われていた歯や、取らざるを得ないと言われていた神経を、精密な検査を行えば残すことができるケースがあるとみられる。

 反対に、虫歯が見落とされてしまうケースもある。一般的に虫歯の検査は専用のミラーを用いて目視で行われる。だが、表面上は小さな点でも中でアリの巣のように虫歯が広がっている場合があると言う。痛みが出にくく、患者自身も気づきにくい。

 虫歯が進行すれば、神経をとったり歯を抜くことになる。さらに見栄えを意識してセラミックのかぶせ物や、人工歯のインプラントをすれば高額な治療費がかかるようになる。

 「歯科で虫歯の見落としや間違え、虫歯の取り残しなどが原因の治療のやり直し、削りすぎなど過剰な治療が多いことがある。早期に最小限の治療ですませれば、大掛かりで高額な治療をせずにすむ」と、同クリニックの高津光雄院長はコメントしている。

 近年、虫歯や歯周病が全身疾患のリスクを高めることが分かってきた。口腔内の細菌が全身に影響を及ぼす「口腔内細菌感染症」の疾患も注目されつつある。

 歯の健康は口の中の問題だけでなく、健康との関連が高いことから、政府は「国民皆歯科検診」の導入を検討しており、2025年頃の導入が目指されている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事