IBM、生成AIの学習コースを無料で提供 世界200万人に

2023年10月23日 16:37

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 IBMが生成AIの学習コースを無料で開始する。同社は2026年末までに200万人にAI学習機会を提供すると発表した。この目標を達成するため、世界各国の大学と提携を行い、社会人学習者にオンラインで学習プログラムを届ける。

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 学習コースでは、「機械学習を始める」「プロンプトの描き方」「生成AIの実践」「AIでカスタマーサービスを改善する」などを学べる。現時点では英語のみの受講が可能で、世界中の学習者が利用できる。

 新たな学習コースは、IBMが運営する社会貢献プログラム「Skills Build」を通して提供する。同プログラムは、IT知識やスキルの学習機会を提供し、就労をサポートするもの。IBMの社員ボランティアによるコーチングや、企業でのインターンシップ、メンタルケアなどを受けながら学習が進められる。

 日本では、大阪労働協会、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会とパートナーシップを締結しており、これらの機関を通して学習支援を受けることができる。

 IBMがグループ会社を通じて行った世界的調査では、AIと自動化を導入することで、今後3年間で従業員の40%にリスキリングが必要になると、経営層は考えている。生成AIによって、新たな役割とスキルが必要になる。

 「AIスキルは将来的な労働力に不可欠。私たちはAIの関する教育に投資し、世界中の学習者のための新しい生成AIに関する教育において、大学や非営利団体と協力する(中略)」と、IBMのバイス・プレジデント兼チーフ・インパクト・オフィサーのジャスティナ・ニクソン・サインティル氏はコメントしている。

 今後数カ月の間に、IBMはAIをめぐる新しいコラボレーションを世界レベルで発表する予定だと言う。同社はもともと、2030年までに3000万人にスキル習得のための学習支援を提供するというコミットメントを発表している。生成AIの学習コース提供もその一環となり、2021年以降、700万人以上の学習者が登録していると言う。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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